首里城地下の第32軍司令部壕 保存・公開に向け県「文化財指定と安全確保を両立」

AI要約

沖縄県が旧日本軍が建設した第32軍司令部壕の保存・公開について検討委員会を設立し基本計画の骨子案を示した。

保存・公開に向けた議論では、司令部壕を県の文化財に指定する考えが示されたが、専門家からは遺跡への手を加えることや見学者の安全性との矛盾について懸念が出されている。

また、来年度以降に具体的な取り組みを進めるために、施設の整備や情報発信方法、ガイドの養成に関するさらなる議論が必要とされている。

旧日本軍が首里城の地下に構築した第32軍司令部壕の保存・公開について議論する検討委員会が開かれ、来年度以降の取り組みに向けた基本計画の骨子案が示されました。

司令部壕の保存・公開に向け県は沖縄戦や地質学の専門家らで構成する検討委員会をつくり議論を続けています。

1日の会合で県は改めて司令部壕を県の文化財に指定する考えを示しましたが、委員からは、県指定の文化財とする場合必要以上に遺跡に手を加えることができないとして、見学者の安全性確保と矛盾するのではといった意見が出されました。

これに対し県は、文化財に指定するためには広く一般に公開する必要もあるとして、従来の計画通り保存と公開の両立を目指す方針を説明しました。

このほか、修学旅行生と一般の見学者を同時に受け入れるためには施設の整備・拡充を検討する必要があることや、司令部壕の持つ意味を正確に伝えるため、情報発信の方法とガイドの養成についてもさらなる議論が必要だといった指摘がなされました。

県は首里城の正殿が再建される2026年度に司令部壕の一部も公開したい考えで、委員からの提言を踏まえ来年度以降の具体的な取り組みについて取りまとめる方針です。