万が一の災害に備え 命救う医薬品を空から運搬 カンセキスタジアムにドローン舞う

AI要約

災害時に医薬品を高性能ドローンで運ぶデモが宇都宮市で行われた。

最大40キロの荷物を運び、70キロ以上の速度で飛行可能。

栃木県内の孤立地域への医療支援に活用される可能性がある。

いつ起きるかわからない災害。今年1月の能登半島地震でも陸路が寸断されたことによる「災害孤立地域」の問題がクローズアップされましたが、命を救う医薬品を高性能のドローンで運ぶデモンストレーションが31日、宇都宮市内で行われました。

これは栃木県と包括連携協定を結んでいる損保ジャパンが、県医師会などと連携して企画したものです。会場のカンセキスタジアムとちぎには県の職員や宇都宮大学の関係者などが集まり、機体の大きさが3メートルを超える最新鋭のドローンの離陸の瞬間を見守りました。

ドローンの飛行を担当した、茂木町に本社を置く「NSi真岡」などによりますと、使用されたドローンは最大で40キロの荷物を運ぶことができ、速度は70キロ以上、最長で20キロの飛行が可能です。(荷重により変更あり)

またドローンには高性能のカメラが付いていて、遠隔操作で現地を確認し、自動でフックを外して荷物をリリースすることもできます。

栃木県内では災害が発生した際、山間部を中心に300を超える集落が孤立する可能性があるとみられています。

損保ジャパンではこれまでに熊本地震での行方不明者の捜索や、東日本台風で大きな被害を受けた佐野市内の空からの調査などでドローンを活用していて、今後は実証実験の実施につなげていきたい考えです。

◇栃木県医師会・小沼一郎会長「日光や鬼怒川、塩原などは大雨が降ると、がけ崩れが起こって道が遮断される。高血圧や糖尿病の薬をいつも飲んでいる方が、病院がなく薬もなくなってとなると、ドローンは非常に有用な手段」

◇損保ジャパン栃木支店・奥田健太郎支店長「去年までの石川・金沢で仕事をしていた。(ドローンでの輸送は)医薬品に限らずということもあると思うし、段ボールベッドや乾パン・水などはどうなんだというところもある。飛ぶ方向も山岳地だけじゃないかもしれないし、何か起こってからでは遅く、事前にしっかり皆さんと共同体系を作っておきたい」