【山口県高校野球】南陽工14年ぶりV 3回戦以降全て逆転第106回全国高校野球選手権山口大会総括

AI要約

南陽工が14年ぶり4回目の優勝を果たし、逆転勝ちを続けて甲子園出場を決めた。若手選手の成長が注目される。

下関国際や宇部鴻城、高川学園の好投手が準決勝で敗退し、若手選手たちの成長が期待される。

豊浦、岩国商、光などのノーシード校も活躍し、接戦を繰り広げた。

【山口県高校野球】南陽工14年ぶりV 3回戦以降全て逆転第106回全国高校野球選手権山口大会総括

 12日に開幕した第106回全国高校野球選手権山口大会(山口県高野連など主催)は南陽工の14年ぶり4回目の優勝で幕を閉じた。53チーム56校が参加し、甲子園への切符を目指して繰り広げた今年の山口大会を振り返る。

 南陽工は3回戦以降は全て逆転勝ち。特に3回戦の桜ケ丘戦は最大4点差を追いつき、3点を先行された延長十回タイブレークでは4点を奪って逆転サヨナラ。決勝では八回2死から3点を奪って逆転に成功した。決勝の先発メンバーは9人中6人が2年生。「試合を重ねるごとに急成長している」(山崎康浩監督)という選手たちが甲子園までにどれだけ成長するか。

 下関国際も大会中、着実に成長しながら決勝まで勝ち上がった。準決勝では準優勝した2022年夏の甲子園で見せたようなしぶとい打撃で宇部鴻城の投手陣を打ち崩した。決勝で先発し、先制の2点適時打を放った伊東は2年生。「来年こそは」と雪辱を誓う。

 大会屈指の好投手と前評判の高かった宇部鴻城・松成、高川学園・葛西はともに準決勝で姿を消した。両投手とも140キロ台の直球を投げ込み、存在感を見せたが相手打線の粘りに屈した。「後輩たちが甲子園に行けるよう自分の経験を伝えていきたい」(松成)、「最後まで清々しく、胸を張って行動する」(葛西)。

 準々決勝には豊浦、岩国商、光がノーシードから勝ち上がった。豊浦は1~3回戦を全て逆転勝ち。「全て出し切りました」と豊浦の若松主将。岩国商はエース椋を中心に粘り強く戦い、接戦をものにした。光は3回戦でシード校の周防大島との接戦を制し、準々決勝では高川学園を追い詰めた。

 3回戦の注目は西京と宇部商の延長十五回の死闘だった。試合時間は3時間46分。死闘を制した西京の原田梨は「これほど良い試合はない」。宇部商は188球を投げた先発・薬師寺ら2年生を軸に秋以降に雪辱を期す。プロ野球の元ダイエー外野手で今夏限りで退任を表明した大越基監督率いる早鞆も3回戦で姿を消した。

 2回戦では徳山商工や萩商工などがシード校撃破にあと一歩と迫った。選手11人の熊毛南は1回戦の誠英に続き、2回戦で下松工に勝利。吉田主将は「勝つことは難しいと言われていたが、二つ勝って成長を感じることができた」と胸を張った。

 「最高の仲間と最高の夏にする」。オーヴィジョンスタジアム下関で選手宣誓をした高橋主将の下関工科は延長十回タイブレークの末に1回戦を突破。試合後、高橋主将が「今が完璧な状態」と自信を見せて迎えた2回戦ではシード校の西京を追い詰めた。

 敗退した52チームの思いも背負いながら南陽工が出場する全国大会は8月4日に組み合わせ抽選会があり、同7日に開幕する。