「最後の夏に勝てばいい」創成館2年連続V 第106回全国高校野球長崎大会

AI要約

創成館が清峰を4-0で下して2年連続4度目の優勝を果たした。

創成館は小刻みに得点を重ね、先発投手の活躍もあり完封勝利を収めた。

創成館は反骨心を原動力にして、基本に忠実なプレーで優勝を果たした。

「最後の夏に勝てばいい」創成館2年連続V 第106回全国高校野球長崎大会

 第106回全国高校野球選手権長崎大会最終日は29日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで決勝が行われ、第3シード創成館がノーシードから勝ち上がってきた清峰を4-0で下して、2年連続4度目の優勝を飾った。

 創成館は三回1死三塁から、山口の中前適時打で先制すると、六回に敵失で1点、七回に再び山口の適時打で1点、八回は武富のスクイズで1点を追加。小刻みに4点を積み重ねた。守っては先発村田が9奪三振で2安打完封した。

 7年ぶりに決勝の舞台に立った清峰は一、五、八回に得点圏へ走者を進めたが、後続を断たれて無得点。エース南は今大会6試合、すべて先発完投した。

 優勝した創成館はこれまで春夏計7度甲子園に出場。2013年の初出場後、18年春に8強入りするなど実績を残してきた。20年も選抜大会出場を決めていたが、コロナ禍で大会が中止となった。

 今夏の全国高校野球選手権は8月7日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕。組み合わせ抽選会は4日に大阪市内で行われる。

◎反骨心が原動力

 今夏は長崎日大と海星の2強が抜けている。大会前、多くの関係者が「どちらかが優勝」と予想していた中、反骨心を持ち、基本に忠実なプレーを徹底して勝ち上がった。稙田監督が「何くそと思っていた。最後の夏に勝てばいいと選手に言い聞かせてきた」という創成館が、今年も夏の甲子園切符を手にした。

 前評判への反骨心はチームの原動力になっていた。確かに秋、春、NHK杯は2強が決勝に進んでいたが、誰ひとり、一番大事な夏だけは譲る気はなかった。負けないチームになるために、最後にみんなで笑うために-。より基礎練習に重きを置いて努力を続けた。やれることはすべて、やってきた。

 今大会は、その成果を存分に発揮した。攻撃面は相手の隙を逃さず、確実な送りバントで走者を進め、1本でかえす。この日の決勝は、そのスタイルの完成形だった。三回、敵失で出た走者を犠打と安打でかえして先制すると、六回も振り逃げで出た走者をホームに迎え入れた。好機を生かす集中力とプレーの精度の高さ。日々の積み重ねのたまものだった。

 初戦からずっと接戦を制し続けてきたことも自信になっていた。この日、2安打2打点の活躍を見せた山口は「これまでの試合より苦しい試合はない。硬くならずに楽にプレーできた」と笑顔で胸を張った。

 試合後の第一声、稙田監督は「理想的な展開。最後に最高の試合をしてくれた」と選手たちに最大級の賛辞を贈った。最後に笑ったのは、今年も創成館だった。