恩師と楽しむチャレンジ、岐阜県勢先陣「金」で恩返し アーチェリー・斉藤史弥(大垣西高出) 

AI要約

日本アーチェリー界のホープが五輪の舞台に初陣。友達のような恩師との絆、苦しみながらも自信に満ちた態度で挑む。

小学5年からアーチェリーを始め、本間監督との二人三脚で素質を開花。高3で史上初の3冠達成。

教え子の成功を願う本間監督との絆、金メダル獲得に向けて団体と個人での挑戦を誓う斉藤。

恩師と楽しむチャレンジ、岐阜県勢先陣「金」で恩返し アーチェリー・斉藤史弥(大垣西高出) 

 日本アーチェリー界のホープが、県勢の先陣を切って五輪の舞台に降り立った。25日のアーチェリー男子ランキングラウンドに臨んだ羽島市出身の斉藤史弥(19)=大垣西高出、日体大=。「友達のような恩師」とともに目指した夢舞台での初陣は、苦しみながらも49位に踏みとどまり「わくわくした気持ちで、自信に満ちあふれた状態で臨めた」と顔を上げた。

 競技を始めたのは小学5年。きっかけは、県のアスリート発掘事業「清流の国ジュニアアスリート育成プロジェクト」への参加だった。講師として手ほどきをしたのが、大垣西高校アーチェリー部監督の本間隼人さん(35)。「当時から抜けていたものはあった」と斉藤の素質を見抜き、中学2年ごろから二人三脚による本格的な指導がスタートした。

 年の差は16歳。だが時には友達のように冗談を言い合うような本間さんの伴走で、斉藤の能力はさらに伸びた。高校3年時には、国内主要3大会で史上初の3冠を達成。本間さんは斉藤の卒業時に「指導者として将来を絶対につぶしてはいけない。そう思い続けてきた」と重圧から解き放たれたように感極まって涙したが、当の斉藤は「年ですねえ」とおどけてみせた。

 五輪直前の国内合宿に帯同した本間さんは「できればメダル。でもまだ先も長い。チャレンジャーとして頑張ってほしい」と期待を込め、ランキングラウンド当日の朝は「楽しんでおいで」と背中を押した。29日の団体、30日からの個人競技に合わせて渡仏し、教え子の晴れ舞台を見届ける。斉藤は「残る団体と個人で金メダルを取る。それが自分にできる恩返しです」と巻き返しを誓った。