円安幽霊(7月23日)

AI要約

夏本番、家族や仲間と楽しむ季節の風物詩。今年は花火大会や修学旅行などで費用が膨らんでおり、円安幽霊の影響が出ている。

神奈川県の花火大会では経費が1.6倍に跳ね上がり、クラウドファンディングなどで資金確保を図った。修学旅行も費用増が懸念されている。

財務省の節約対策が長続きせず、外国に物を売る会社が利益を上げている現状に対する疑問や不満が広がっている。

 夏本番、到来の感。家族や仲間、恋人と楽しむ定番は、花火大会に海水浴、帰省に旅行…。まだある。これも季節の風物詩。怪談をお忘れではないか。今年は物価高を呼ぶ「円安幽霊」の出番だろう▼各種イベントで費用を膨らませ、関係者を悩ませている。17日、5年ぶりに開かれた神奈川県鎌倉市の花火大会。日本一と称される花火師が手がけて名を上げたが、経費は従来の1・6倍に跳ね上がった。協賛金を募り、有料席を設けて資金確保に努めた。初めて「クラウドファンディング席」もつくり、何とか中止の危機を乗り切ったという▼「たたり」は教育現場にも及ぶ。中高生の修学旅行も、その一つ。本紙が報じた。新型コロナ禍前、米国や豪州を訪れていた県内の学校は旅行先を戻すに戻せない。遠方になればなるほど費用がかさむ。生徒にグローバルな学びを提供したい。先生は財布の中身とのにらめっこが続く▼財務省は「お化け退治」を繰り返しているようだが、効き目は長続きしない。「何とかしてくれないと、節約疲れで夏バテする」との声も聞こえそう。えっ。外国に物を売る会社はもうかってるって。どこか、遠い話に聞こえて仕方ない。あー、恨めしや。<2024・7・23>