八重山上布が国の重要無形文化財に 文化審議会 新垣幸子さんを人間国宝に認定するよう答申

AI要約

国の文化審議会は19日、八重山上布を国の重要無形文化財に指定し、染織家の新垣幸子さんを人間国宝に認定するよう文部科学大臣に答申しました。

八重山上布は、イラクサ科の苧麻を使用し、草木染めで模様を描く伝統的な織物で、540年以上の歴史があります。

新垣幸子さんは括り染め技法を復活させ、八重山上布の美しさを再現。これにより県内の人間国宝になる見通しです。

八重山上布が国の重要無形文化財に 文化審議会 新垣幸子さんを人間国宝に認定するよう答申

国の文化審議会は19日、八重山上布(やえやま・じょうふ)を国の重要無形文化財に指定し、その保持者として染織家の新垣幸子(あらかき・さちこ)さんを人間国宝に認定するよう文部科学大臣に答申しました。

国の重要無形文化財に指定される見通しの八重山上布は、イラクサ科の苧麻という植物の繊維を紡いで糸にし、草木染めなどで模様を描く伝統的な織物で、540年以上の歴史があり琉球王国時代には王府への貢納布(こうのうふ)として技術が磨かれました。

八重山上布の特徴は白地に浮かび上がる、水の流れなど自然界をモチーフにした絣模様で、その模様を作り出すために糸をヒモでしばって染まらない部分を作る「括り染め」という技法が使われています。

括り染めは明治以降衰退していましたが、この技法を復活させたのが、今回人間国宝に認定される見通しとなった新垣幸子さん(78歳)です。

新垣さんは、27歳の時に沖縄県工業試験場、現在の工芸振興センター染織課で研修を受けたあと石垣島に戻り、当時の第一人者から指導を受けました。

28歳の時に、琉球王国時代に括り染めで作られた八重山上布が東京の日本民藝館に残されていることを知り、その布を実際に見て美しさに感動したそうで、以来、括り染めでの八重山上布の復元に向けて尽力し、大きな功績を残しました。

▽新垣幸子さん

「八重山の文化に対する深さ、あの当時の大人たちが色々と導いでくださったんじゃないかと思って、それで仕事がうまくいきました」

「今までやってきた仕事を、もっとこれからも追求していきたい。若い人にそれがうまく指導できていければ良いとも思います。つながっていけばいいと思います」

県内の人間国宝は、新垣さんが18人目になる見通しです。(八重山通信員:吉田永吉)