EU加盟国のルーマニア駐ロシア公使が"観光目的"で非公式に「北方領土」へ…欧米外交官の訪問は異例 日本政府は「事実であれば受け入れられない」ルーマニアに説明要求 ロシア当局は"実効支配"をアピールか

AI要約

ルーマニアの駐ロシア公使が北方領土を非公式に訪問し、日本政府が受け入れられないとの立場を示している。

ロシア極東のメディアが公使の訪問を報じ、ロシア当局の許可を得た観光目的であったと伝えている。

ロシアは北方領土の開発を進めており、外交官の訪問は異例であるが、ロシア側は実効支配をアピールしている。

EU加盟国のルーマニア駐ロシア公使が

 ルーマニアの駐ロシア公使が北方領土を非公式に訪問したとロシアメディアが報じました。

 日本政府は「事実であれば受け入れられない」としてルーマニア側に説明を求めています。

 ロシア極東のメディアは、モスクワのルーマニア大使館に駐在するリリアナ・ブルダ公使が、7月11日までに北方領土の択捉島と色丹島、国後島を非公式に訪問したと伝えました。

 北方領土への訪問はロシア当局の許可の取得が義務付けられていますが、ブルダ公使はロシアの法律に基づいて必要な許可をすべて取得し、観光目的で訪れたということです。

 ロシア極東のメディアは11日、ブルダ公使とみられる女性が水の中で楽しむ様子や色丹島のホテル前に7人が並び記念撮影した写真などを公開し、「とても満足しているようだった」と伝えました。

 報道を受けて林官房長官は18日の記者会見で、ルーマニア側に事実関係を確認しているとしたうえで「現時点で説明は得られていない。仮に事実であれば、北方四島に関するわが国の立場から受け入れられないと伝達した」と述べました。

 ロシアは、実効支配を続ける北方領土の開発に力を入れていて、中国企業に投資を呼びかけているほか、現地で北朝鮮労働者が目撃されるなどしていますが、欧米の外交官が北方領土を訪問しロシアメディアに報じられるのは異例です。

 ロシア側はブルダ公使がロシアの法律に従って許可を得たことを強調していて、北方領土の実効支配をアピールする狙いがあるとみられます。