別府市が第3期総合戦略策定へ官学の若手企画部会始動 自然景観や地域とのつながり…「ウェルビーイング指標」取り入れ立案へ

AI要約

別府市が第3期総合戦略(2025~29年度)の策定に向け、ウェルビーイング指標を取り入れるための企画部会を始動した。

ウェルビーイング指標は、健康や幸福度などの要素を客観的・主観的に評価し、24種の因子ごとに比較できる指標である。

データに基づく立案が可能となり、過去の施策の効果や今後の方針を明確にすることが期待されている。

別府市が第3期総合戦略策定へ官学の若手企画部会始動 自然景観や地域とのつながり…「ウェルビーイング指標」取り入れ立案へ

 大分県別府市は第3期総合戦略(2025~29年度)の策定に向け、官学の若手を集めた企画部会を始動させた。年内に政策提案につなげる。初回は「ウェルビーイング(地域幸福度)指標」という新しい評価軸を取り入れて立案することを確認し、外部の専門家から基礎的な知識を学んだ。

 市役所で16日、初会合があり、市内の大学生、若手の市職員約20人が参加した。同指標の普及に取り組む一般社団法人スマートシティ・インスティテュート(東京都)の南雲岳彦・専務理事が講師を務めた。

 南雲専務理事はウェルビーイングを「健やかで、孤独でなく、やりがいのある状態」と紹介。統計などに基づく客観的評価と、アンケートで把握した主観的評価で構成する指標の特徴を説明した。

 指標は▽移動・交通▽自然景観▽地域とのつながり▽雇用・所得―など24種の因子ごとに作成し、対となる数値を比較できる。

 南雲専務理事は、健康寿命が長くても生きる意味を感じていなければ主観的な評価が低くなる―といった例を挙げ、数値化された指標によって把握しやすくなることを指摘。立案につなげるための活用法も伝えた。

 第2期総合戦略の対象期間は本年度まで。政府は「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け同指標の活用を進めており、市は今回、第3期戦略づくりで初めて導入した。

 市企画戦略部の佐藤浩司次長は導入の意義について「データに基づく立案ができる。二つの評価を見比べることで、これまでの施策が有効だったか、どこに打っていくべきかが分かる」と話した。 

<メモ>

 別府市のウェルビーイング指標はデジタル庁の専用サイトで公開されている。2024年度版を因子別で見た場合、客観的評価より主観的評価が低いのは「初等・中等教育」「買物・飲食」「移動・交通」など。高いのは「都市景観」「医療・福祉」など。評価の最下位は主観が「初等・中等教育」で、客観が「デジタル生活」、最上位は主観、客観ともに「自然景観」。