「地域ブランド企業」M&Aアドバイザリー契約拡大に注力 NOBUNAGAサクセション 

AI要約

地方の地域ブランド企業とのアドバイザリー契約拡大に注力するNOBUNAGAサクセション。M&Aを検討する企業が増える中、地域ブランド企業との契約を30%に増やす目標を掲げる。

地域ブランド企業は地域にとって重要であり、十六銀行との連携を図り後継者問題や預貸金ビジネスの支援に注力する。

製造業を中心にしたM&A成約件数や譲渡相談のデータを元に、安心感のあるM&Aを提案し、地域経済の成長を促進する取り組みを行っている。

「地域ブランド企業」M&Aアドバイザリー契約拡大に注力 NOBUNAGAサクセション 

 十六フィナンシャルグループ(FG)傘下の経営承継支援会社NOBUNAGAサクセション(岐阜市神田町)は、高い技術力やブランド力を持つ知名度のある「地域ブランド企業」とのアドバイザリー契約拡大に注力する。ビジネスモデルを転換し、成長戦略にするためにM&A(企業の合併・買収)を考える企業が増える中、譲渡側の契約件数全体のうち地域ブランド企業との契約を30%とする目標を掲げ、地場産業の持続的な成長に役立てる。

 アドバイザリー契約は、M&Aを検討する譲渡側と譲受側がパートナー企業を探す際に行う手続き。譲渡側の場合は企業価値を評価し、企業概要書を作成した上で、譲受先を探す段階に当たる。譲渡側との契約件数は昨年7月の会社設立から約1年間で34件に上り、うち6件(約18%)が地域ブランド企業だった。

 地域ブランド企業は地元の雇用やサプライチェーン(供給網)を守る上で、地域にとって事業存続の期待が高い企業であり、福井基泰社長は「売上高に関わらず、すてきな要素があれば引き受けたい企業が数多くある」とみている。同社は岐阜、愛知を営業基盤にするグループ会社の十六銀行との連携を図って、後継者問題に悩む取引先の把握に努め、預貸金ビジネスの拡大にもつなげる。

 同社によると、1年間のM&A成約件数は11件。譲渡相談は製造業が全体の約4割を占め、企業の売り上げ規模は約4割が3億~10億円だった。また経営者の3割以上が50代で、会社売却以外にも統合後の社内の立ち位置を含め、交渉の幅が広がっている。福井社長は「企業の成長戦略につながる譲渡情報は十六FG全体の成長にも生かせる。安心感のあるM&Aを提案したい」と語る。