童話の世界の登山道、本格登山楽しめる低山「岳山」岐阜・七宗町 地元集落に愛される山

AI要約

岐阜県加茂郡七宗町と関市の境にそびえる岳山(599メートル)。本格的な山登りが楽しめる。登山口から山頂までの道程や山頂からの景色までを楽しめる。

登山者用駐車場から出発し、急な道を進みながら途中で休憩。山頂には周囲の集落が見渡せる絶景が広がる。

登山歴50年の夫妻との出会いを経て、下山しながら装備の大切さを再確認。コンパスや高度計、クマ鈴の持参が重要であることを学ぶ。

童話の世界の登山道、本格登山楽しめる低山「岳山」岐阜・七宗町 地元集落に愛される山

 岐阜県加茂郡七宗町と関市の境にそびえる岳山(599メートル)。こんもりと緩やかな三角形をしているが、麓の集落から続く登山道は時に急勾配。半日で本格的な山登りを楽しめる。

 奥田や八日市など各集落から山頂に続く道がある。奥田では住民が保存会をつくり登山道や案内板、駐車場を整備する。住民の女性(80)によると「奥田では毎年11月、小豆ご飯と酒を持って登る。正月に山頂で祭りをする集落もある」という。

 奥田集落の最奥にある民家を過ぎて未舗装の道に入り、登山者用駐車場から出発。登山口には貸し出し用の木のつえが置かれていた。「タケ山←」と手書きの案内板が頻繁にあり、迷うことはないが傾斜が大きい。休憩しながら進む。

 30分ほど歩くと少し平らな道に出た。くねくね伸びた木々にもやがかかり、童話の中の世界のようだ。「あと300メートル。まだ山頂ではないよ」と書かれた看板を発見。再び急な道が現れ、20分ほどで山頂に着いた。

 山頂からは周囲の集落が見渡せる。雲が無ければ御嶽山や恵那山、遠くに名古屋のビル群まで見えるそう。ベンチで休んでいると、別の道から夫妻=土岐市=が登ってきた。登山歴50年の2人は事前に地図を研究し、独自のルートで上がってきたという。下山に同行させてもらうことになった。

 2人は通過ポイントを書き入れた地図を見て、小まめにコンパスや高度計を確認して歩いて行く。「標高440メートル、しばらく南南東」「390メートル、あのこぶで東に回るよ」。声をかけ合う2人に付いていき、八日市集落に下りた。いつもスマートフォンの地図アプリに頼り切りの記者に「低山でも油断は禁物。コンパスと高度計、クマ鈴を忘れないで」と美知男さん。本格的な夏山シーズンを前に、装備の大切さを再確認した山行だった。

【案内】

 東海環状自動車道富加関IC、美濃加茂ICから車で30~40分。車は県道58号から奥田川沿いに進んだ先の登山口手前の駐車場が利用できる。