宮崎県の自殺者2年連続で増加、目立つ高齢者…電話相談窓口は4月から365日24時間対応に

AI要約

2023年の宮崎県内の自殺者は前年より9人多い222人で、2年連続で増加した。人口10万人あたりの自殺者数は21・5人で、都道府県別では2番目に多かった。特に高齢者の自殺が目立ち、県は対策に力を入れている。

年代別にみると、70歳代が最多の40人。男女別では男性が152人で最多で、女性は70人。自殺者数は増加傾向にあり、新型コロナウイルス禍が要因とされる。

県は人口10万人あたりの自殺者数を下げる目標を掲げ、電話相談窓口の拡充など対策を強化している。他自治体と比較して自殺が多い要因は特定されておらず、高齢者への対策が重要視されている。

 2023年の宮崎県内の自殺者は前年より9人多い222人で、2年連続で増加した。また人口10万人あたりの自殺者数は21・5人で、都道府県別では和歌山に次いで2番目に多かった。県は特に高齢者の自殺が目立つとして、電話相談窓口の拡大など対策に力を入れている。(波多江航)

 厚生労働省の人口動態統計(概数)を基に県が集計した。年代別にみると、70歳代が最多の40人。次いで80歳代が33人、50歳代の32人だった。

 男女別では、男性は前年から13人減って152人。うち、50歳代が最多の29人で、40歳代の25人、80歳代の22人と続いた。女性は22人増の70人。70歳代が20人で、次いで60歳代が14人、20歳代と80歳代が11人だった。

 自殺者数は、ピークだった07年の394人から半減しているが、19年に190人まで減少後、微増に転じている。再び増えている要因には新型コロナウイルス禍などが影響している可能性があるとみられる。

 人口10万人あたりの自殺者数は4年連続、全国で上位5番以内。23年は21・5人と全国平均の17・3人を大きく上回った。

 県福祉保健課によると、天候や飲酒量など自殺と相関関係が指摘される項目ごとに他自治体と比較したが、県内で自殺が多い要因は特定できていないという。同課は「他県と比べても多い高齢者への対策が重要」としている。

 2日にあった県の各部局長らによる県自殺対策推進本部会議では、担当者から、人口10万人あたりの自殺者数を28年までに23年比で2割超少ない16・5人以下にする目標や、今年4月から電話相談窓口が拡充し、休日や早朝を含む365日、24時間対応になったことなどが報告された。河野知事は同日の定例記者会見で「尊い命が失われていることを重く受け止め、庁内、関係機関との連携を深めて対策を強化していく」と語った。