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国連が採用した「命の水」をつくる技術 ”低コストでシンプル”日本から世界に広がる貯水タンク「ためとっと」
福岡市植物園に寄贈された雨水タンク「ためとっと」は、地下に45トンの水をためることができる。
福岡市の建設会社と九州大学が共同開発したこのタンクは、国連ハビタットを通じてアジアやアフリカにも設置されている。
タンクは地面に埋まっているため見えないが、水は透明で、地上も利用可能な低コストで簡単に施工できるものだ。
![国連が採用した「命の水」をつくる技術 ”低コストでシンプル”日本から世界に広がる貯水タンク「ためとっと」](/img/article/20240711/668f852112548.jpg)
福岡市の建設会社が開発した雨水を地下にためるタンクが、福岡市植物園に完成し、寄贈式が行われました。
「ためとっと」と名付けられたこのタンクは、国連ハビタットを通じて水事情の悪いアジア、アフリカの国々に設置されています。
■芝生広場の地下に45トンの水
11日、福岡市植物園で披露されたのは、雨水地下タンク「ためとっと」です。
芝生広場の地下に設置されているので見た目にはわかりませんが、45トンもの水を蓄えることができます。
■福岡市の建設会社が開発
福岡市の建設会社・大建が九州大学と共同開発した雨水地下タンク「ためとっと」。
設置方法は、まず、地面を掘るところから始まります。
植物園では、5月に掘削が行われました。
大建 松尾憲親社長(55)「今は掘削している、穴を掘っている状態ですね。横が11メートル、縦が5メートル、深さが2メートルちょっとという大きさの所に水をためていくというところです」
掘削したところに、遮水シートをはり、水をためるスペースを作ります。
そこへ岩石を砕いた小さな石を入れていきます。
■水道水と変わらないくらいの透明な水
石が入ったところに水をためると、石の間に住みつく微生物が汚れを食べて分解するので水道水と変わらないくらいの透明な水になります。
松尾憲親社長「今回は2槽作る予定で、1槽はこの屋根に降った水を入れていくと。もう1槽はこの花壇のところの地下水を入れていくということで、屋根からの水と地上からの水、分けて貯水する予定です」
■地上も使える 例えば駐車場にも
表面は埋め戻すので、地下のタンクは見えません。
松尾憲親社長「全く見えない、例えば上は駐車場とかいろんなものに使えますので、ふだんと何ら変わりなくご利用できるという、そういうものになっています」
■「低コストで施工が簡単」
この雨水タンク「ためとっと」は、2013年、国連ハビタットに採用され、すでにアジア、アフリカの開発途上国に設置されています。