鹿児島県 「共存共栄」100年の軌跡 有村修一氏が講話 祖父・治峯氏の語録伝える あまみならでは学舎

AI要約

与論町出身の治峯氏が創業した有村商事㈱の歴史と軌跡について講話が行われた。

講座では、創業者の人生と会社の成り立ちが紹介された。

将来の離島振興に向けて、外貨獲得や地域社会との共存共栄を目指す方針が示された。

鹿児島県 「共存共栄」100年の軌跡 有村修一氏が講話 祖父・治峯氏の語録伝える あまみならでは学舎

 県立奄美図書館(宮永治館長)は6日、2024年度あまみならでは学舎の3回目講座を奄美市名瀬の同館研修室で開いた。有村商事㈱代表取締役社長の有村修一氏が「奄美の産業・文化と共に~創業100年を振り返る~」を演題に講話。85人の聴講者を前に、創業者で祖父の治峯(はるみね)氏が掲げた企業理念「共存共栄」に至る軌跡をたどるとともに、離島振興の「未来」を示した。

 有村商事は1922年5月、与論町茶花出身の治峯氏(1900~2000年)が名瀬市(当時)で営んだ大島紬と黒糖の製造卸問屋が前身で、米軍統治、奄美群島の日本復帰などを境に海運、物流業へ進出。同社を中心としたマルエーグループは2022年に100周年を迎え、本部を鹿児島市に置くマルエーフェリー(本社・奄美市名瀬)は23年12月、創立70周年を迎えた。

 講座では治峯氏の満97歳を祝し制作された約20分の記録映像を上映。治峯氏が歩んだ時代背景とともに、現在21社にわたるグループ企業の成り立ちと歴史を紹介した。

 上映後、修一氏は治峯氏が他界する100歳まで綴ったという備忘録の原本を持参し、「書くことは学びを頭に刻む」とする母の教を守り続けた姿を紹介。ほかにも治峯氏が残した語録を伝え、「偉いということはない、過去を語らず明日を語れという教えは自身も守っている」と伝えた。

 将来の離島振興については群島外からの外貨獲得の必要性を挙げ、▽税金(交付金)の獲得▽農作物や特産品の出荷▽観光、交流人口の増加―を提示。修一氏は「グループとしては交流人口への協力、黒糖焼酎の出荷」に総力を上げるとし、「地域社会、取引先、社員との共存共栄を進める」と語った。