三重・松阪工で29年ぶり日米大会 レスリング オレゴン州と県選抜対戦

AI要約

米国と三重県の高校レスリング交流会が30年ぶりに開催され、熱戦が繰り広げられた。

県選抜チームは米国高校選抜チームに対して2勝13敗という結果に終わった。

選手たちは激しい試合を通じて貴重な経験を積み、交流を深めた。

三重・松阪工で29年ぶり日米大会 レスリング オレゴン州と県選抜対戦

 日米親善高校レスリング交流会三重大会(全国高体連レスリング専門部主催)が2日午後1時から、松阪市殿町の県立松阪工業高校であり、オレゴン州高校選抜チームと松工レスリング部(奥村拓生顧問)の選手を含む県高校選抜チームが熱戦を展開した。米国が同校で試合をするのは約30年ぶり。

 日米親善高校レスリングは、長年、日本選抜チームと各州選抜チームが行き来して対戦している。国内では各県が持ち回りで行っており、三重県で開催されるのは約10年ぶり、松阪市では1995(平成7)年に米国高校生たちと同校で試合をしており、29年ぶりとなった。

 開会式では中瀬信之・県レスリング協会会長が「松阪工業は55年前、県高校レスリングが発祥した地。この地でできることをうれしく思う」などとあいさつ。松工の紹介動画などが流された後、同校選手のデモストレーションを交えてルール説明が行われた。またスペシャルゲストとしてリオ五輪女子レスリング金メダリストの土性沙羅さん(29)=市職員=も訪れ、試合を見守った。

 試合は階級別に15戦。松工の他、鳥羽やいなべ総合学園などから集まった県選抜の選手たちは持ち味を出しながら強豪選手と対戦した。観客から大きな声援が届く中、熱戦を展開した。県選抜は2勝13敗だった。

 試合のトリは51キロ級。出場した松工1年・前田慶次選手は第2ピリオドまでもつれ込み、相手選手がチャレンジを使うなど接戦を展開したが惜敗した。前田選手は「(相手は)技術も高く力も強かった。日本では見られないプレーもあった。まねしてみたい」と話した。前田選手と対戦したネルメス選手(15)は「(前田選手は)とてもタフでキープ力があった。すごく良い経験になった。日本はとても楽しい」と話した。

 同校3年・松原脩真主将は「相手の力が勝っていると思って急ぎ過ぎました。持久戦に持っていったらよかった」と振り返り、「技術はもちろん力、圧がすごかった。選手たちは投げに躊躇(ちゅうちょ)がなかった。それくらい度胸を付けて自信を持って投げられるようにもっと練習したい。すごく良い経験になりました」と話していた。

対戦したレイノソ選手(17)は「とても得がたい経験ができた。日本の文化も、ここにいる皆さんもとても素晴らしい。もっと滞在したい」などと話した。

 大会運営、進行を務めた松工レスリング部の奥村監督(61)は「オレゴン州は米国の中でも強い州だが、あんなに強いとは思わなかった。選手たちはいろんな経験ができたと思う」と話した。

 また今回審判を務めた同部の村田知也コーチ(47)は松工出身で、29年前の同交流会に選手として出場していた。「当時は全校生徒の前で試合をしたのを覚えている。前回と比べて設備などはグレードアップしている」と話し、交流戦については「三重チームの良いところがたくさん出た。何でも経験するのとしないのでは違う。こういった経験は一生残る。地域や学校の協力あってこそ。ありがたいです」と話した。