自転車ヘルメット義務化1年 着用微増、高校生低く 静岡の事故多発交差点で調査

AI要約

自転車利用時のヘルメット着用率が低い状況とその影響について報告。

未成年者を中心にヘルメット着用率が低い傾向が見られ、その理由や改善策について考察。

県警のデータから、ヘルメットの重要性と致命的な事故への影響を示唆。

自転車ヘルメット義務化1年 着用微増、高校生低く 静岡の事故多発交差点で調査

 自転車利用時のヘルメット着用が昨年4月に努力義務化されて1年3カ月。ヘルメットの着用率は-。6月中旬、静岡市駿河区中村町の事故多発交差点で静岡新聞社が調査したところ、134人中17人が着用し、着用率は13%だった。特に高校生の着用率の低さが目立った。努力義務化前の昨年1月に同じ交差点で実施した調査より5ポイント増えた。

 昨年の調査と条件を合わせ、最も事故の多い時間帯とされる午後4~6時の平日、交差点を通行する自転車を目視で調査した。昨年7月に警察庁が調査した着用率の全国平均は13・5%で、ほぼ同水準だった。

 着用していた男性(19)は「着けることが習慣となった今では安全のために欠かせない」と有効性を語った。一方、非着用の高校3年の男子生徒は「周りも着けていないから意識したことがなかった。高校では着けている人はほとんどいない」と話した。他の高校生などにも未着用の理由を尋ねたところ、「周りが着用していないから」「髪形が崩れる」「蒸れて暑い」などの声が聞かれた。

 県警によると、過去10年の自転車事故による死者の致命傷部位は頭部が約65%で最も多く、非着用の致死率は着用時の2・4倍だった。県警交通企画課の塩野裕治次席は「着用率向上に向けて各機関と協力し推進していく」と強調した。

 (田島かのん)