サントリー×ダイキン×キッザニア 子どもたちが「水」と「空気」の研究員 大阪・関西万博でサミット

AI要約

大阪・関西万博で、サントリーホールディングスとダイキン工業が子ども向けのプログラムを企画。水と空気について学びながら持続可能な未来について考える。

子どもたちが研究員として水と空気の持続可能性を追求し、未来への提言を発信するプログラム。キッザニアの運営会社も協力。

大阪・関西万博会場で行われる「こどもサミット」への参加者募集中。参加者は一年間のプログラムに参加し、提言を準備する。

サントリー×ダイキン×キッザニア 子どもたちが「水」と「空気」の研究員 大阪・関西万博でサミット

 大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)で、サントリーホールディングス(HD)とダイキン工業(いずれも本社・大阪市北区)が、会期中に「こどもサミット(仮称)」などを通して、子どもたちが持続可能な未来社会へ向けて発信するプログラムを企画した。

 子どもたちが主役となり、両社がそれぞれテーマとする「水」と「空気」について、楽しみながらその大切さや可能性を学ぶ。“いのちの未来”を考えるための屋外学習など、体験型プログラムが9月に予定されている。

 いずれも大阪が発祥。飲料メーカー・サントリーは『水と生きる』、空調メーカー・ダイキンは『空気で答えを出す会社』というコーポレート・スローガンを挙げている。大阪・関西万博でのコラボレーションは、「いのち輝く未来」という万博のテーマに沿って、”水と空気”の可能性を追求、「未来に向けて、今を生きる私たちが何をすべきか」を子どもたちとともに考えたいとしている。

 子ども向けの職業・社会体験施設「キッザニア」を運営するKCJグループ(本部・東京都中央区)が協力。子どもたちが「水と空気の研究員」として、地球で”水・空気”という自然の恵みが循環していることを学び、提言としてまとめ、大阪・関西万博の会場で発表する。

 KCJグループは大阪・関西万博の共創パートナー。キッザニアを飛び出して仕事をリアルに体験し、こどもの生きる力を育む「Out of KidZania(アウト・オブ・キッザニア)」というプログラムの一環として展開する。

 対象は小学4年~中学2年(募集時点)の24人、参加費は5000円(税込)。参加者は約1年間のプログラムに関わる。6月25日からKCJグループの専用サイトで募集している(~7月21日 応募者多数の場合は事務局による選考が行われる)。募集フォームには、水と空気の未来について思うことを記す欄もある。

 まず8月31日(土)に「キッザニア甲子園」(兵庫県西宮市)でオリエンテーションを受け、自然環境への興味を深める。そして9月21日(土)~23日(日・祝)に、ミネラルウオーターを生産している「サントリー天然水 奥大山ブナの森工場」(鳥取県江府町)と、山陰海岸ジオパークで砂丘や海浜が一体的に保全されているダイキンの研修・保養施設「ダイキンアレス青谷」(鳥取市)の見学や、森林や海岸でのフィールドワークなど「研究員」としての仕事を体験。さらにオンラインでのグループワークを経て、2025年5月(予定)、大阪・関西万博会場で開催する「こどもサミット(仮称)」で、”水と空気の未来への提言”を発信する。

 サントリーHDの大阪・関西万博準備室長・前波(まえば)美由紀さんは、「多様性の観点で、子どもたちがさまざまな人と交わることが大切。サステナビリティ―と聞いて、難しいものととらえるのではなく、楽しんで体験して学んでほしい」と話した。そして同社が2004年に始めた「水育(みずいく)」に触れ、「森の中でどうやって水が循環するのか、良い水を生み出すにはどうすればいいのかを考えるために、一方的に教えられるのではなく、子どもたちが自分の力で見つけ出してほしい」と願う。

 ダイキン工業のCSR・地球環境センター担当部長の吉沢正人さんは「空気が将来どのような付加価値を生むかが重要だ。我々がまだ気づいていない、将来の空気の価値を子どもたちが見つけれてくれたら」と期待する。

 企画をコーディネートするKCJグループの広報部長・宮本美佐さんは、「ふだん学校で出会う人たちとは異なる仲間と、さまざまな課題を長期間にわたって深堀りする機会はめったにない。好奇心を奮い立たせて、ワクワク・ドキドキしながら取り組んでほしい」と期待を寄せる。

 サントリーHDとダイキンはこのほか、大阪・関西万博で「未来社会ショーケース」として水上ショーを共同出展する。タイトルは「アオと夜の虹のパレード」。これが両社の共創第1弾となり、それぞれのコーポレーション・スローガンに基づいて、何十億年にわたり地球のすべてを見てきた「水」と「空気」の物語を体感してほしいとしている。今回の「こどもサミット」を含めたプログラムは第2弾と位置付けられ、第3弾以降も検討中としている。