入試内申書「欠席数」廃止、不登校生の不安軽減 岐阜県公立高

AI要約

岐阜県教育委員会は、2025年度からの公立高校入試で欠席の記録を廃止することを決定した。

現在、不登校生徒の増加により、志望校の選択肢が狭まることを避けるための取り組みが行われている。

全国では既に複数の地域で出欠の記録廃止が進んでおり、簡素化の流れが広がっている。

入試内申書「欠席数」廃止、不登校生の不安軽減 岐阜県公立高

 岐阜県教育委員会は2025年度からの公立高校入試で、各高校に提出する調査書(内申書)の「欠席の記録」を廃止することが24日、関係者への取材で分かった。近年増加する不登校生徒の負担軽減を図るための対応で、欠席が多くなっても志望校の選択肢を狭めないようにする。調査書に出欠の記録をなくすのは中部地方では初となり、岐阜の入試は転換点を迎える。

 文部科学省の調査によると、県内の小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒は22年度、5255人で、7年連続で過去最多を更新した。ここ数年は新型コロナウイルス禍により、学校行事や部活動が中止・縮小するなど生活様式の変化もあり、不登校の要因は年々複雑化している。

 県内の公立高校入試は主に学力検査と調査書の評定で合否判定する。24年度入試までの調査書作成要領には、欠席日数と、備考欄に主な欠席理由を書く欄があり、点数化できず直接的な合否には影響しなかったが、参考になる程度の要素としてあった。

 県教委は不登校の児童生徒を巡る現状を受け、調査書に出欠に関する欄があることで、子どもが「学校に行かないといけない」と思ってしまうように、精神的な重圧につながることを考慮。入試で出欠を問わないことで、子どもに対して将来への不安を和らげる狙いがある。

 文部科学省によると、全国では、23年度入試時点では、東京都、神奈川県、大阪府、奈良県、広島県が「出欠の記録」をすでに廃止しており、簡素化する流れがある。

 県教委はこのほか、「総合的な学習の時間の記録」についても、他の項目に比べて小さく、合否に大きく影響する欄ではないとして、25年度入試から廃止を決めた。