【追求】なぜ騙されてしまう? 「SNS型投資詐欺」と「ロマンス詐欺」が急増中…巧妙化する手口とは

AI要約

全国的に急増しているSNSを使った詐欺について、具体的な被害状況や手口を紹介。

愛媛県内の被害状況や事例を交えて詳しく説明。

被害が長期的かつ高額であることや、投資に関心が高まる背景について考察。

【追求】なぜ騙されてしまう? 「SNS型投資詐欺」と「ロマンス詐欺」が急増中…巧妙化する手口とは

全国的に急増しているSNSを使った詐欺。中でもここ最近、被害が目立つのが、「SNS型投資詐欺」と「SNS型ロマンス詐欺」だ。

一度は、テレビや新聞などで耳にしたことがあるのではないだろうか?

警察庁の統計によると、全国では去年一年間で「SNS型投資詐欺」と「SNS型ロマンス詐欺」の被害が合わせて3846件確認され、被害総額は約455億円あまりに上った。

愛媛県内で見ると「SNS型投資詐欺」が43件、「SNS型ロマンス詐欺」が33件の合わせて76件。被害総額は約5億6000万円に上る。(令和5年・愛媛県警調べ)

さらに「SNS型ロマンス詐欺」を詳しくみると、実は最終的に「投資」名目でお金をだまし取られたケースが25件、その他の名目が8件と結局、最終的に被害者の多くが「投資」名目でお金をだまし取られている。

愛媛県警によると、こうしたSNS型の詐欺は被害が長期的かつ、高額なのが特徴だという。以下は県内で被害件数の多い「SNS型投資詐欺」の被害の一例。

被害者は松山市に住む40代の女性。県内で最多の被害額となる現金およそ8500万円をだまし取られた。(※県警が「SNS型投資・ロマンス詐欺」として統計を公表して以来)

女性はSNSで知り合ったAから投資の勧誘を受け、その後、Aに紹介されたBから教えられた投資アプリをインストール。捜査関係者によると、女性はまず相手が指定した口座に50万円ほどを振り込んだという。すると、その後女性はアプリ内で利益が出たことを確認。これを信用した女性はネットバンキングなどで十数回にわたり6100万円を振り込んだ。

そして、女性がお金を引き出そうとすると…相手から「口座が凍結されており、解除のためにも検証金が必要だ」などと言われ、さらにあわせて2400万円を振り込み、被害総額は8500万円に及ぶ事態となった。

ではなぜ、騙されてしまうのか?

捜査関係者によると、上記の被害例の中で紹介されたアプリは実在する有名投資アプリを装ったもので、名前や内容も同じだったという。さらに利益が出ているように見えたのは、犯人側が意図的に操作していた可能性が高いとみられるという。ここで重要なのは、「投資」名目が前提であること。

この手の詐欺で被害に遭った人は少なからず、素直な気持ちで投資し、お金を増やしたいという気持ちだっただろう。その中で、アプリ内で利益が出ていれば疑わないことは無理もない。さらに「投資」であることから、すぐにお金を出金するよりは、アプリ上でまとまった大きな利益が出てから引き出そうとするケースが多くなるだろう。これがSNSを使った2つの詐欺の手口の巧妙さを物語っている。まさに被害が長期化し、高額となる要因の一つである。

日本証券業協会が行ったNISA口座開設・利用状況調査結果では、NISAの総口座数の推移は年々増加傾向にある。こうした、投資への関心が高まる社会情勢も犯罪グループは巧みに利用しているのかもしれない。