ロビンフッドがビットスタンプを買収──暗号資産事業を米国外に拡大

AI要約

ロビンフッド(Robinhood)が暗号資産取引所ビットスタンプ(Bitstamp)の買収で合意したことを発表

取引は2025年上半期に2億ドルで完了予定。目的は暗号資産事業をグローバルに拡大、機関投資家の顧客獲得

ビットスタンプはヨーロッパ最大の暗号資産取引所であり、厳格な規制に適合。市場競争激化が予想される

ロビンフッドがビットスタンプを買収──暗号資産事業を米国外に拡大

トレーディングプラットフォームのロビンフッド(Robinhood)は、暗号資産(仮想通貨)取引所のビットスタンプ(Bitstamp)を買収することで合意したと6月4日に発表した。同社は、暗号資産事業をグローバルに拡大し、新たな商品提供を通じて機関投資家の顧客を獲得することを目指している。

プレスリリースによると、全額現金で2億ドル(約310億円、1ドル=155円換算)の取引は2025年上半期に完了する見通し。バークレイズ・キャピタル(Barclays Capital)とギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)がこの案件についてアドバイスを行ったと、両社は述べている。

「ビットスタンプの買収は、当社の暗号資産事業の成長における大きな一歩だ」と、ロビンフッド・クリプト(Robinhood Crypto)のゼネラルマネージャー、ヨハン・カーブラット(Johann Kerbrat)氏は述べた。「ビットスタンプは、世界中で高い信頼性と長い歴史を持つ暗号資産取引所であり、市場サイクルを通じて回復力を示してきた。この戦略的提携により、当社はアメリカ以外の国での事業拡大と、機関投資家の勧誘で、より有利な立場に立つことができる」。

ビットスタンプは、2011年に設立されたイギリスを拠点とする暗号資産取引所で、瞬く間にヨーロッパ最大の暗号資産取引所の1つになった。現在、85種類以上の暗号資産のスポット取引を提供しているほか、機関投資家向けレンディングやステーキングなど、その他の暗号資産関連商品も取り扱っている。プレスリリースによると、同社は市場で最も厳しい規制に対応する取引所であり、世界中で50以上のライセンスと登録を保持している。また、世界的な大手会計事務所による定期的な監査も受けている。

ロビンフッドは昨年12月、欧州連合(EU)の顧客を対象に暗号資産取引の提供を開始した。

「ビットスタンプのプラットフォームと専門知識をロビンフッドのエコシステムに導入することで、コンプライアンス、セキュリティ、顧客中心主義への継続的な取り組みを保ちながら、ユーザーにさらに充実した取引体験を提供することができるだろう」と、ビットスタンプのCEOであるジャン-バプティスト・グラフティオー(Jean-Baptiste Graftieaux)氏は述べている。同氏は、他の経営陣とともに買収成立後も引き続きCEOを務める。

この買収により、暗号資産取引所の市場競争が激化する可能性がある。ロビンフッドの国際展開により、北米以外での成長も目指しているコインベース(Coinbase)などのシェアが奪われる可能性があるためだ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:ロビンフッド・クリプトのGM、ヨハン・カーブラット氏(左)。(Shutterstock/CoinDesk)」|原文:Robinhood to Buy Crypto Exchange Bitstamp in Effort to Expand Outside the U.S.