八代の焼きたてパン、新幹線で輸送 JR九州が鹿児島中央まで貨客混載

AI要約

JR九州は新幹線の空きスペースを利用し、八代市から鹿児島市までのパンの定期輸送サービスを開始した。

パン製造会社が新幹線を利用することで、焼きたてのパンが当日に届くようになり、利便性が向上している。

JR九州は貨客混載の取り組みとして、停車時間の短い新八代駅からの定期輸送を開始し、他の途中駅にもモデルケースとなる可能性があるとしている。

八代の焼きたてパン、新幹線で輸送 JR九州が鹿児島中央まで貨客混載

 JR九州は30日、九州新幹線の空きスペースを使った貨客混載サービスの一環として、新八代駅(八代市)から鹿児島中央駅(鹿児島市)までのパンの定期輸送を始めた。停車時間が短い駅からの定期輸送は熊本県内初で、沿線全体でも珍しいという。

 荷主は八代市永碇町のパン製造販売「ミルキー八代店」。鹿児島市の菓子店に塩メロンパンなどを販売している。これまで朝に焼いたパンが菓子店に届くのは、トラックの集荷ルートの関係上、24時間ほど後だった。新幹線を使えば当日正午ごろ届き、焼きたてに近い状態で販売できる。

 30日、50個を新八代駅に持ち込んだミルキーの松本芳史さん(37)は「車両運送に比べ割高だが、当日届くメリットは大きい」。今後は毎週木、日曜に50~60個発送する。

 JR九州は2021年5月、貨客混載の新幹線輸送サービス「はやっ!便」を開始。停車時間が長い博多、熊本、鹿児島中央駅の間を中心に運んでいたが、今回、ミルキーからの相談を受け、オーダーメードで契約した。新八代駅の停車時間は約1分で、荷物を積み込む駅員確保など約1年準備を重ねたという。

 JR九州の担当者は「ほかの途中駅のモデルケースになる事例。トラック運転手が不足する2024年問題の解決にも貢献できる」としている。(河内正一郎)