大分大の学生、スナックを昼間に借りて月1カフェ…閑散とする日中の歓楽街に「にぎわいを」

AI要約

大分県内最大の歓楽街・大分市都町で、大分大学の学生が喫茶店「cafe lantern(カフェランタン)」を1日オープンさせた。スナックを借りて月に1回開かれるこのカフェは、昼間の活気をつくる取り組みの一環で、若者を訪れるきっかけになることを目指している。

カフェは大人の街に位置し、雑居ビル内に25席ほどの店舗を構えている。メニューは卵のハムトーストやコーヒーなど5種類で、学生スタッフが接客や調理に忙しく働いている。

都町は夜には多くの居酒屋やスナックが賑わうが、日中は閑散としている。カフェのアイデアは大学の授業から生まれ、地域の課題解決や新しいビジネス創出に取り組んでいる。

 大分県内最大の歓楽街・大分市都町で、閑散とした日中ににぎわいをつくろうと、大分大経済学部の学生が1日、昼間のスナックを借りて月に1回開く喫茶店「cafe lantern(カフェ ランタン)」をオープンさせた。町でスナックなどを経営する女性らでつくる「華都会」が協力。関係者は「若者が訪れるきっかけになってほしい」と期待を込める。(石橋龍馬)

 カフェは、雑居ビル「第5パルコ」1階の細い通路の先、「momoKA都町店」内に誕生した。ボックスとカウンターの計約25席。間接照明が室内を柔らかく照らす。

 メニューは「ふんわり卵の絶品ハムトースト」(600円)やホットコーヒー(400円)など5種類。店内では、学生約10人が接客や調理、配膳と忙しく働いていた。

 この日の来店者は約40人。テイクアウトも約10組いた。友人と4人で訪れた同大経済学部2年の学生は「大人の街のイメージで近寄りがたかったが、店があると来るきっかけになる」と話した。

 都町一帯には、多くの居酒屋やスナックがひしめき、夜になると酔客が闊歩する。ただ、日中は営業中の店が少なく、通りを歩く人もまばらだ。

 同大によると、カフェのアイデアは昨年12月、地域の課題解決や新規事業の創出について学ぶ授業の中で生まれた。コロナ禍を経て元気を失った都町の発展に何が必要かを学生や華都会のメンバーらが議論する中で、学生らのグループが昼間開いていない店舗の活用を提案。授業を担当した渡辺博子教授(58)(産業経済論)に「ゼミ活動の一環として実践したい」と直談判し、始動した。

 料理の原材料の調達や価格設定なども学生たちが自ら行い、店舗代も費用に計上した。店舗を貸した同会の事務局担当の佐藤理沙さん(46)は「町のために頑張ってくれていてありがたい」と話す。

 次回の開店は7月24日午前11時~午後2時半の予定。サラリーマンをターゲットにしようと、水曜にした。佐々木さんは「行列ができる店を目指してデータを分析し、継続可能な運営をしたい」と意欲を燃やす。

 渡辺教授は「学生たちの実践の場にしていきたい」と話している。