「襟裳岬」や「落陽」を手がけた作詞家岡本おさみさんの記念碑を設置へ…ファンら有志らが活動

AI要約

「襟裳岬」「落陽」などのヒット曲を手がけた作詞家岡本おさみさんを顕彰する音楽記念碑の設置が始まる。

ファンらが募金活動を行い、岡本さんの功績を讃える記念碑を建設。岡本さんの言葉を刻む予定で、記念コンサートやイベントも計画。

岡本さんの作品や足跡を訪ねるシンボルとなることを期待し、同市も活発に支援。岡本さんと交流のあった人々が記念碑完成を見守る。

 森進一さんの「襟裳岬」や吉田拓郎さんの「落陽」などのヒット曲を手がけた鳥取県米子市出身の作詞家岡本おさみさん(1942~2015年)を顕彰する音楽記念碑を設置しようと、ファンらでつくる「岡本おさみさんを語る会」が募金活動を始める。11月の完成を目標に全国に呼びかけ、お披露目に合わせて音楽イベントも開催したいという。(立山光一郎)

 語る会は2023年4月、岡本さんの功績を語り継ごうと発足。全国に約60人の会員がいる。11月に記念ライブコンサートを市内で開催したところ、山陰を始め、東京都や広島県からもバンドが参加した。目に見える形でも継承したいと、今年4月に記念碑の建設実行委員会を作った。

 記念碑設置のための資金集めには、クラウドファンディング(CF)を活用。400万円を目標に、6月1日から募集する。また、米子市内の店舗などに募金箱を置き、市民やファンに呼びかける。

 記念碑には、岡本さんの言葉を刻むことを検討する。地元のPRにつながると、同市も前向きで、市公会堂(米子市角盤町)の敷地の一角を貸し出す予定。岡本さんの命日の11月30日までの完成を目標にし、合わせて音楽イベントを計画する。

 岡本さんが作詞した「愛する人へ」や「満天の星」で知られるシンガー・ソングライターの南こうせつさんは、語る会の活動に「全国から岡本さんの足跡を訪ねてくるシンボルになることを願う」とメッセージを寄せる。

 生前、岡本さんと交流のあった語る会の長谷川泰二会長(78)によると、岡本さんは同市を離れた後もたびたび帰郷し、地元の人たちと交流を深めた。音楽イベントを企画する市民グループに「立派な音響装置がなくても音楽祭はできる。やる気が大事」とアドバイスをしたという。

 長谷川さんは「岡本さんが若者へと伝えた言葉が歌い継がれていくことを願う。多くの人が記念碑のある米子を訪れてくれたら」と期待している。

◆岡本おさみ =高校生まで米子市内で過ごした。吉田拓郎さんと組んで作った「襟裳岬」は森進一さんが歌って大ヒットし、1974年に日本レコード大賞を受賞した。「旅の宿」「きみの朝」の作詞などでも知られる。