【39歳、子連れ再婚の365日】絶対許せない！息子に罵声を浴びせた塾講師にクレームの電話をするも…

バツイチ子持ちの39歳、あおいあんさんの実録再婚ストーリー。夫婦仲に反抗期の子ども、義母との関係etc…リアルな毎日をお届けします。今回は第26回。現在Season3をWeb Domaniで連載中。最新話は毎週月曜日19時更新です！

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【登場人物】

あん（私）…メーカー勤務のシングルマザー。8年前に離婚し、実家に出戻り。39歳。

蓮…生意気盛りの小学生。11歳。

臣斗くん…あんの会社の後輩・海斗くんの大学の同級生で再婚相手。34歳

結衣…蓮の彼女。4年生からS塾に通い中受予定。

お母様…臣斗の母。英語教師で蓮の中学受験を強力プッシュ。

【前回までの話】

シングルマザー歴8年を経て、事実婚という形で再婚に踏み切ったあん。義母から中学受験を進められるもあんは反対派でいたが、息子・蓮の前向きな気持ちと、夫・臣斗のサポートもあり中受へ臨むことを決意。

臣斗と新居の選択を巡って意見の食い違いが見られた頃、あんの母親が癌の手術を受ける。術後の経過が良く、あんは家族3人で初の家族旅行へ行くも臣斗と大げんか。その後、あんは臣斗とのセックスレスや疑惑の女性からのメッサージなどを乗り越え、家族として新しい一歩を踏み出した。

一方、最後の夏休みと呼ばれる受験生にとっての正念場を過ごした蓮は、原因不明の夜泣きを始めるも理由が分からないまま1週間で止まる。そして9月に入り日曜日まで塾通いになる中、連から衝撃のトラブルを聞いてしまう…。

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こんにちは。40歳を目前に控え再度パートナーを探し、5歳年下の彼と事実婚をしたシングルマザーのあおいあんです。

前回は最近、イライラ度が増している蓮からSOSがあったところまでお話ししました。

静かに泣く姿に、事態は深刻かもしれないと思い、ひとまず蓮をソファーへ座らせた。

私：何かあったの？

蓮：国語の川口先生がひどい言葉を言ってくるんだ

私：どんな言葉？

蓮：“生きてるだけで邪魔”とか“今すぐ退塾しろ”って

私：何それ!? 川口先生が蓮だけに“生きてるだけで邪魔”とか“今すぐ退塾しろ”って言ってきたの？

蓮：うん。ほかにも色々言われてたんだけど、一番ひどいのはそんな感じ

私：蓮が授業中うるさくしたり、何か先生をイジるような言葉を言ったりはしていない？

蓮：うん。クラスでも嫌なこと言ってくる子がいて、その子に対しては“うるさい”とか言ったことはあるけど、先生には言ったことはない

私：辛いなら言わなくてもいいけど、他には何を言われたか覚えてる？

蓮：“こんな問題も分からなくてよく受験するな”とか“退塾届持ってくるから”とか…

私：それはヒドい！叩かれたりはしていない？

蓮：直接叩かれたりはしてないけど、机を大きな音で叩いたりはしてた

私：いつから言われてたの？他の子にもしてる？

蓮：いつからだろう、夏休み中からかな。男子にはたまに強い言葉で注意したりするけど、俺ほどじゃない。それに女子には一切怒らないし、むしろ気に入られようとわざと優しい口調で話したりしてる

私：何それ!? 男女差別みたいに感じるよね。蓮はママが塾へ連絡してもいいんだね？

蓮：うん。S塾は好きなんだけど、川口先生のその態度がどうしてもイヤで、やめて欲しいんだ

私：分かった！話してくれてありがとう。ずっと辛かったよね

抱きしめると蓮はさらに涙を流し、ついには声を出して泣いた。夏休みの夜泣きや最近の気分のアップダウンはこれが原因だったのかもしれない。

ここまで気付けなかった自分を責める一方、S塾への怒りは頂点に達した。蓮の偏差値は御三家なんて狙えるようなものではないし、S塾にしてみれば次の生徒を呼ぶための合格実績のひとりにはならず、大切な生徒ではないのかもしれない。

でも分からないから塾へ行って教えてもらうんだし、理解していたらそもそも塾に行く必要がない。分からないが前提で教えるべきなのでは？

それに蓮は私にとって大切な息子だ。どの子もその家では大切な子供で、先生だからと言って子供の人権を否定する言葉は言ってはならない。「先生」という肩書きで自分が子供より上の立場にいると勘違いしているのではないか。

考えれば考えるほど怒りはヒートアップしていく。今日はとりあえず蓮を休ませよう。こんなに傷ついてしまった心を、どうやったら癒せるのか考えなくては。

私：今日はもう勉強しなくていいよ。ゲームでも映画でも蓮がしたいことして寝よう

蓮：でも明日過去問提出したいから勉強するよ

私も泣きそうになった。こんなに頑張っている上に、先生からの心ない言葉で蓮の精神が崩壊してしまうのではないか…。

次の日、受付開始の14時きっかりにS塾へ電話をした。川口先生に直接話すと誤魔化されそうな気がして、校舎長へと繋いでもらった。

私：いつもお世話になっております。昨夜息子からちょっと驚きの発言があったので、ご確認させていただきたくお電話いたしました。実は国語の授業で“生きてるだけで邪魔”と言われたと聞いたのですが、うちの子、何か川口先生に失礼なことをしたのでしょうか？

校舎長：それは大変失礼いたしました。もし御子息が国語の担当者に何か発言をしたとしても、その言葉は決して言ってはならないと思います。大変申し訳ありません。担当者にも厳重に注意しておきますので

事実を確認する前から平謝りの校舎長。驚く様子もなく、慣れているというか、決まった言葉が用意されているというか…。

私：先生を変えていただくことはできるのでしょうか？

校舎長：成績によってクラス分けされているため、別のクラスに移動してもらうことができず、また直前期ということもあり担当者を変えることもできず。ご希望に添えず、大変申し訳ありません。御子息はどうしてもらいたいとおっしゃっていますか？

蓮は先生を変えてもらいたいこと、謝って欲しいことを私に伝えていた。

私：本人はみんなの前で馬鹿にされたり、傷付く言葉を浴びせられたことにすごく心を痛めています。川口先生から本人に直接謝ってもらうことはできますか？

校舎長：もちろんです。明日の授業前少し早めにきていただくことは可能でしょうか？ 私も立ち会って、担当者からきちんと御子息に謝罪を述べさせますので

こちらが何を言っても教科書通りに謝罪の言葉を述べる校舎長にイラッとしてしまった私は、つい強い口調で言ってしまった。

私：はい。小学校は勉強だけでなく、生活態度や交友関係など様々な角度から見ていただくところだと思うのですね。なので発言が不適切であれば強い口調になることもあると思うんです。

でも塾は受験のための勉強をするところですよね。合格へ向けてサポートをする場所で、子供の心に傷を負わせるという足を引っ張るような言動がなぜできるのか理解ができないんです。うちの子は男子なので、ふざけたり、余計な一言があったりするかもしれません。でもそれも含めて、中学受験の子どもたちを預かるということではないのでしょうか？ 子どもの言動にいちいちイライラして、暴言を吐くというのは教師という立場に向かないのではないでしょうか？ 鼓舞する声がけは大変ありがたいと思っているのですが、今回は鼓舞ではなく人権侵害だと思います

校舎長：おっしゃる通りです。本部の方へも今回の担当者の件は報告させていただきます。明日、御子息が納得いくまで話し合いをさせていただきますので

最後まで杓子定規な会話で戦意を削がれた私は、電話を切った。蓮にこの話をして、明日一緒に塾へ行こうか？と聞いたが、意外にも「ひとりで大丈夫」とさらっとしていた。果たして明日、先生はきちんと謝ってくれるのだろうか…。

（次回に続く）