「うちの子に限って…」は危ない!探偵にも頼める「いじめ調査」が子どもの窮地を救う

AI要約

いじめ問題の深刻さと親子の意識のすれ違いについて

いじめの実態調査の重要性と対応策について

実際のケースから子どもがいじめられている可能性について

「うちの子に限って…」は危ない!探偵にも頼める「いじめ調査」が子どもの窮地を救う

 筆者は、吉本でお笑いコンビ「オオカミ少年」で活動する傍ら、探偵事務所の代表を務めています。私の探偵歴十数年の中で、さまざまな調査の相談を受けました。調査分類として「素行調査」というのがあります。特定の人物の行動や交友関係、立ち寄り先などの調査を行うのですが、「素行調査」の中でも相談の割合が年々増え続けているのが「子どもがいじめにあっていないか調べたい」という親からの依頼があります。今回は「いじめの実態調査」についてお伝えいたします。(探偵芸人 オオカミ少年・片岡正徳、登場人文はすべて仮名)

● 子どものいじめ低年齢化 親子ですれ違ういじめへの考え方

 親は、「うちの子どもに限っていじめにあっているはずがない」と考えたり、子どもは、「うちの親に相談しても怒られる・恥ずかしい・かっこ悪い・どうせわかってもらえない」と考えたりして、親子で考え方がすれ違うことが意外と多いものだそうです。

 こども家庭庁が発表した、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要によると、2022年小・中・高等学校および特別支援学校におけるいじめの認知件数は、68万1948件(前年度61万5351件)であり、前年度に比べ6万6597件(10.8%)増加。児童生徒1000人当たりの認知件数は53.3件(前年度47.7件)でした。

 いじめも低年齢化しており、小学校低学年でのいじめも増加傾向にあるそうです。

 いじめの被害にあっても解決策を見つけることができず、自らの命を絶ってしまうという痛ましいニュースや、いじめ加害者への報復目的の凄惨な事件もテレビやインターネットであふれています。しかし、いじめの事実を見て見ぬふりをしたり、隠蔽(いんぺい)したりする教育現場が多いのも事実で、発表に計上されていない数字があることは想像に難くありません。

 いじめ問題は一人の力だけで解決するのは難しく、学校に相談しても、うやむやに放置されることは少なくありません。

 茨城県教育委員会のホームページに『いじめの兆候チェックリスト』があります。あなたの子どもは該当していないかチェックするのも手です。

 もし、子どもがいじめられている兆候があっても、事実が確認できなければ親が追及や解決に向けて行動することで、さらにエスカレートしてしまうケースもあります。いじめられている兆候が見られた時に、探偵目線での対応策をご紹介しますので、参考になさってみてください。

 ○いつ・どこで・誰と・どんな兆候があったのか記録しておく

○ボイスレコーダーなどで会話を録音する

○信頼できる先生、保護者の協力を得て認識を確認

○保護者面談での話を録音しておく

○子どもが使用しているメールやメッセージアプリ、SNSをチェックする

 この対応策は、いじめの実態調査として子どもの外出時や登下校時の行動調査の際にも大きな手がかりになりますので、調査を検討される方は実行することをお勧めします。

 昨今のいじめは陰湿化していて、大人の目の届かないところでいじめを行う傾向があるそうです。外からは実態が見えにくい状況でも、証拠を自力でつかむしかないのです。

● 小学5年生の息子の様子がおかしい いじめを疑う母からの依頼

 吉永真子さん(37歳女性)は、一人息子の浩大くん(小学5年生)の帰りが遅くなったり、休みの日に友達と遊ばなくなったり、友達との話を家でしなくなったり、買い与えたゲーム機本体やソフトを頻繁になくしたりしたことでいじめの可能性を疑い、相談に来られました。

 話を詳しく聞くうちに、私はいじめの可能性が高いと感じたため、すぐに下校時の行動調査をすることにしました。