スパークリングワインを飲みにドイツに行って出会った、個性あふれる造り手たち
ドイツはスパークリングワインの生産量で世界第3位で、ほとんどが国内消費されている。
ドイツを訪れたライターがフランク・ヨーンという醸造家のスパークリングワインに感動。
フランク・ヨーンはビオディナミ農法でリースリングのスパークリングワインを造り、エレガントでクリーミィーな泡が特徴。
世界中で年間に生産されるスパークリングワインは20億本ほど。うち20パーセントの4億本がドイツ国内で消費されている。また生産量もイタリア、フランスに次ぎドイツが世界第3位だ。ドイツのスパークリングワインはそのほとんどが国内で消費されていて、海外に輸出されるのはわずか10%超。そのため日本ではまだメジャーではない。
ワインをこよなく愛するライターの長谷川あやさんがスパークリングワインを飲みにドイツに行ってきた。
前編では泡酒のワンダーランド・ドイツのスパークリングワイン事情に加え、実際に行って体感したドイツ最古とされるゼクトの醸造所についてお伝えした。後編では、ドイツのワイナリーで出会ったビオディナミ農法でのワイン造りやドザージュ(補糖)ゼロのリースリングのゼクト、ゼクト専門のワイナリーなど、個性あふれる造り手たちについてご紹介する。
ドイツのスパークリングワインの生産者をいくつか巡ったが、いちばん印象的だった、というか私の口に合ったのは、ファルツ地方の「フランク・ヨーン(Frank John)」のスパークリングワインだ。
醸造家のヨーン氏は、かつて国内の名門醸造所で醸造長を務めた経験を持ち、ドイツにおける自然派ワインの第一人者としても知られている。2002年に修道院として使われていた築400年強のかつて教会として使われていた建物と畑を購入。現在、家族ぐるみで、ビオディナミ農法によるワイン造りを行っている。
畑が決して大きくないこともあり、造っているのは、リースリングのスパークリングワインと白ワイン、そしてピノ・ノワールの赤ワインの3種類のみ。その潔さがまたかっこいい!
スパークリングワインはどのヴィンテージもエレガントで清冽で、また、きめ細かいクリーミィーな泡も印象的だった。「高級なシャンパーニュです」と出されたら、私のような知識が乏しいワイン好きは、疑いなく信じると思う。そもそも、「シャンパーニュ>ゼクト」とはもはや思っていないのだが……。
なお、「フランク・ヨーン」は宿泊施設も併設している。ここでゼクト三昧のワーケションを過ごすのもいいかもしれない。いや、仕事にならないか(笑)。