【夏の京都のうまいもの】有名店の穴場店舗で夏限定の涼やかな和菓子をいただく

AI要約

鍵善良房 高台寺店は、祇園で300年以上続く和菓子店の高台寺店で、昨年リニューアルオープンした穴場スポット。

和菓子店の代名詞であるくずきりは、シンプルな材料で作られ、冷えた状態でもなめらかでコシがあり、黒糖蜜にくぐらせて食べると絶品。

茶人や僧侶から文人墨客、花街の女性たちまで幅広い層に愛されてきた和菓子店で、卓料の半個室は電話予約が可能。

【夏の京都のうまいもの】有名店の穴場店舗で夏限定の涼やかな和菓子をいただく

京都生まれ、京都育ちの食いしん坊、京都でおいしいものに出合いたければ、この人に聞けばハズレなし!そんなアマジュンこと天野準子の絶品満腹口福アドレス。今月は京都旅の途中にひと息つきたい茶房やカフェの新アドレスを紹介。今回は「鍵善良房 高台寺店」をピックアップ!

 享保年間創業、祇園で300年近く続く和菓子店「鍵善良房」。京都に行ったら毎回、こちらで、くずきりを食べるというファンも多い有名店ですが、高台寺店があるのはご存じだろうか。

 高台寺店は、実は40年以上前からある。昨年は半年に渡る改装工事を行い、今年1月にリニューアルオープンした。

 ひと昔前は、大人の街として知られていた祇園だが、今や日本人観光客と外国人ツーリストでごった返す一大観光スポットとなり、本店も混み合っていることが多く、高台寺店は穴場。しかも、リニューアルを機に設けられた半個室は電話予約ができるのがありがたい。

手入れの行き届いた庭を望むガラス張りの半個室。電話予約可。卓料1時間¥2,000

「鍵善良房」は花街・祇園という場所柄、茶人や僧侶はもとより、お茶屋や料亭に出入りする文人墨客や旦那衆、花街の女性たちにも広く愛されてきた和菓子店だ。店の代名詞であるくずきりも、元々は、食後のデザートやおやつとして、料理屋さんやお茶屋さん、芝居小屋に配達していたそう。くずきり用の二段重ねの蓋付き漆器も、配達することを考慮し、木工作家・黒田辰秋がこの仕様にしたという。

 材料は、奈良吉野・大宇陀産の「吉野本葛」と水のみというシンプルの極み。葛粉を水で溶き、平鍋で流しこみ、湯煎に。葛が固まり、透明になると、冷水にさらし、包丁で5mmほどの幅に切っていく。

 くずきりは、水をはった塗りの器に入っていて、目にも涼しい。キンキンに冷えているのに、驚くほどなめらかでコシもあり。黒糖蜜にくぐらせていただけば、こっくり甘く、それでいてみずみずしく、ひんやりとしたのど越しは暑い夏の日にもぴったりだ。