仕事の段取り上手になれる脳のイメトレとは? ゴールをただ思い描くだけでは足りない

AI要約

近年、想像力のない人が増えていることが社会問題として取り上げられている。イメージトレーニングをビジネスで活用する方法について解説。

右脳のイメージ力を活性化させることで、仕事の段取りを上手に行えるようになる。ゴールをリアルにイメージし、手順を具体的にイメージすることが重要。

具体的なイメージを持つことで、達成すべき小さな目標を確認し、仕事の成果に大きな差が出る。段取りの重要性と効果的なイメージングの方法を紹介。

仕事の段取り上手になれる脳のイメトレとは? ゴールをただ思い描くだけでは足りない

 近年、想像力のない人が増えていることが、社会問題として取り上げられている。そのような現状に対して警鐘を鳴らし、「ビジネスにおいてもイメージすることが、重要だ」と話すのは『いつも結果を出す人がやっている「潜在意識」活用大全』(発売:講談社)の著者、七田厚氏だ。本書では右脳の力を活性化させ、ビジネスに生かすノウハウを紹介しているが、本記事ではイメージトレーニングをビジネスで活用する方法を解説する。(以下、本文抜粋)

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 仕事の完成を大きく左右するものに「段取り」があります。周りを見渡してみると、仕事ができる人はみんな段取り上手なのではないでしょうか。段取りとは、仕事の流れを見通して完成までの道筋を予測するもので、その良し悪しは右脳のイメージ力の使い方に左右されます。

 右脳のイメージ力が適切に働いていると、仕事の成果から逆算して、効率的な手順を踏んだり、人・モノ・お金・情報などといった要素を、前もって準備したりすることができるのです。

 仕事の段取りは、ゴールを正確かつ明確にイメージできれば、ほぼ完全になるものです。ただし現実には予想できないことが起きますから、実際には段取りできるのは八分くらいでしょう。それでも、段取りをきちんとできるのとできないのでは、仕事の結果に大きな差がついてきます。

 では、どうすれば「段取り上手」になれるのでしょうか。それは、最初に「仕事のゴール」をリアルにイメージすることです。これを何度も繰り返してください。

 新商品を売り込むプレゼン資料、大型企画の受注、優秀な人材の採用……。可能な限り細部に至るまで、そのゴールをイメージします。画像やイラストなどを使って、そのイメージを具現化してみるのもいいでしょう。

 そしてその次に、「仕事のゴール」に至るまでの「手順」を一つひとつイメージします。ここでもリアルさが重要です。一つずつ、実際に手順を追っているつもりでイメージしてみてください。最後に、そのイメージと手順に沿って仕事をスタートさせます。

 多くのビジネスパーソンは、仕事をする際、きっとゴールを意識していることでしょう。でもそれは、ビジュアル的なイメージではありません。せいぜい「今月中にあと2件受注する」「作りかけの資料を完成させる」「人気番組に新サービスを取材してもらう」といった程度のもので、それは言葉の域を出ていないのです。そして、多くの仕事がなりゆきで進んでいきます。

 ところが、ゴールをビジュアル的にイメージできるようになれば、進むべき方向や次にやるべきことが完全にクリアになります。「今月中にあと2件受注する」であれば、どの商品・サービスを、どんな企業の、どんな事業部の、どんな人に売り込むのか。売り込んでいるときの自分はどんな表情で、相手はそんなあなたの言葉をどんな様子で聞いているのか。どのような質疑応答が行われ、そのときあなたはどんな気持ちでいるのか。

 相手先のオフィスを出た後、どの駅から、どのように電車を乗り換えてオフィスに戻るのか。そのとき、どんなことを考えているのか。帰社した後、どんなお礼メールを送り、先方はそれに対してどう返信してくるのか。その後、具体的にどのようなやり取りを経て、あるいはどのような苦労をして、受注に至るのか。受注の際、あなたはどんな表情をしていて、上司からどんな言葉をかけられるのか。

 さて、みなさんはどのくらい具体的に思い描けたでしょうか? ここまで具体的にイメージできているからこそ、今のあなたに足りないものが自然と見えてきて、そのギャップを意識的に処理できるのです。

 どんな仕事にも、期限という時間の制約が必ずあります。「いつまでに」「何を」「どのように」完成させるという個々の小さな目標が達成されてはじめて、ゴールに到達できるのです。まずはゴールから逆算して、どのような小さな目標を達成する必要があるのか、一つひとつ確認しましょう。