テンション下げずに5月を乗り切るための3作。

AI要約

オーストラリアのリゾートウエディングを舞台に、最悪の出会いを果たした男女が再会し、ひょんなことから恋人を演じるハメに。王道のラブコメで、ウィル・グラック監督の手腕が光る作品。5月10日より全国公開。

カジノでブラックジャックのディーラーをする女性を描く本作は、彼女の気だるい日常を描きながら、不思議な白昼夢的世界観が観る者を引き付ける。5月10日よりヒューマントラストシネマ渋谷にて上映。

1963年のミシガン州を舞台に、ポップタルトが生まれる過程を描いた実話に基づく作品。ジェリー・サインフェルド監督で、笑いありの楽しい作品。5月3日よりNetflixにて配信。

テンション下げずに5月を乗り切るための3作。

オーストラリアのリゾートウエディングを舞台に、最悪の出会いを果たした男女が再会し、ひょんなことから恋人を演じるハメに。要するに、王道のラブコメなんだが、さすがウィル・グラック監督、このジャンルを熟知してらっしゃる。とりわけ”水に濡れる”イメージを、手を替え品を替え反復しながら、クライマックスへと導く手際は、古典的ハリウッドのように無駄がなく気持ちがいい。あるあるシーンの配置や塩梅も含めて迷いがなく、「ジャンル映画とはこう作るべし」というお手本のような1作。5月10日より全国公開。

カジノでブラックジャックのディーラーをする女性が主人公だ。しかし、カジノという言葉が想起させるテンションの高さは、ここにはない。どうやら昼は寝たきりの老人を介護しているらしい女性の日常を、断片的に映す本作において、終始彼女は気だるい表情のままなんだから。にもかかわらず、ウルリケ・オッティンガーのビジュアルセンスとシャンタル・アケルマンのストイシズムが、悪魔融合したようなその白昼夢的世界観は、観る者を釘付けにして離さない。これは何なのか!? 気になった人は、同時公開される監督のその他の作品も観るべし。5月10日よりヒューマントラストシネマ渋谷にて開催される特集上映企画「ニナ・メンケスの世界」内にて上映。

1963年ミシガン州。シリアルの2大ライバル会社ケロッグとポストは、朝食の概念を根底から覆すようなペストリーを生み出そうと競い合っていた。日本ではあまり馴染みのないポップタルトの誕生にまつわるそんな実話をゆるーくベースにした本作は、シットコムの傑作『となりのサインフェルド』シリーズで知られるジェリー・サインフェルドが監督を手掛け、本人の他、メリッサ・マッカーシーやエイミー・シューマーなど数々のお笑い巧者が出演。観た後は必ずや食べたくなるので、とりあえず、ポップタルトは買っておこう。5月3日よりNetflixにて独占配信。

text: Keisuke Kagiwada