東海道新幹線、徒歩で実施していた外観検査を自動化するシステム導入へ

AI要約

JR東海が東海道新幹線車両の外観検査システムを発表。

検査システムには外観検査装置とパンタグラフすり板検査装置が含まれる。

装置の設置場所や運用開始時期など、具体的な計画も明らかに。

東海道新幹線、徒歩で実施していた外観検査を自動化するシステム導入へ

 JR東海は5月22日、東海道新幹線の車両外観検査システムについて発表した。

 東海道新幹線の車両は、外観と機能の検査を2日以内の頻度で行なっており、特に外観については400mにおよぶ編成の屋根上と床下を検査員が徒歩で行なっているという。

 今回発表した検査システムは「外観検査装置」と「パンタグラフすり板検査装置」で構成しており、、前者は車両基地などに入庫する際の入り口にカメラ・センサーを設けることで、車体と床下機器を自動で撮影、異常を検知するというもの。本システムではボルトのわずかな緩みも高精度に検出できるとしている。

 また後者は、駅の線路の直上に検査器を設置し、入線した車両のパンタグラフすり板の形状を自動で計測する。すり板は走行中に架線と触れて摩耗する部品のため、適正な厚さを保っているか適宜検査する必要があるが、この装置により設置駅を発着するすべての車両を高頻度に検査できるようになる。

 外観検査装置は大井車両基地に、パンタグラフすり板検査装置は品川駅で2024年度中に設置する予定で、営業車両で検証しつつ仕様の検討を進めるという。本格運用は2029年度ごろから。