リニアトンネル工事の水位低下 JR東海・丹羽俊介社長「地域の方々に大変な迷惑」

AI要約

JR東海の丹羽俊介社長は、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事による水位低下問題について陳謝し、措置を講じる意向を表明した。

岐阜県では井戸の水位低下が確認され、JR東海は新しい井戸を設置し、ボーリング調査を実施する方針を示した。

一方、静岡県とのコミュニケーションを強化し、リニア工事を進める姿勢を示した。

リニアトンネル工事の水位低下 JR東海・丹羽俊介社長「地域の方々に大変な迷惑」

JR東海の丹羽俊介社長は22日の定例会見で、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が進む岐阜県瑞浪市で家庭用の井戸などの水位低下が確認された問題について、「地域にお住まいの方々に大変な心配と迷惑をかけていると考えている」と陳謝した。

同社はトンネル掘削工事を17日に中断し、20日に水源の代替として新しい井戸を設置する工事や、工事中に発生した湧水を止めるための薬液の注入などの措置を始めた。6月には地質を詳しく調べるボーリング調査を始める。丹羽氏は「トンネル掘削との関係をしっかり調査し、会社として真摯に対応したい」と強調した。

JR東海は2月下旬に観測用井戸で水位低下を確認していたが、岐阜県への報告は5月1日に遅れたため、岐阜県の古田肇知事は同21日の会見で「速やかな情報共有が不可欠。遺憾に思う」と述べた。これを受け、丹羽氏は「情報共有において至らない点があった」との認識を示し、「改善していきたい」と語った。

一方、リニア工事をめぐり、JR東海は山梨県で機械のメンテナンスを理由に中断していたボーリング調査を5月20日に約7カ月ぶりに再開した。静岡県境から約500メートル離れた地点から掘削を再開し、県境を越えて未着工区間の静岡県内まで掘り進める計画で「静岡県と丁寧に対話しながら進めていきたい」と述べた。

26日の静岡県知事選の投開票が迫る中、新知事に対しては「できる限り早いタイミングでうかがって会いたい」との胸中を明かし、リニア静岡工区の1日でも早い着工に向け、「地域の皆さまとの双方向のコミュニケーションを大切にしながら取り組む姿勢を早く伝えたい」と話した。