経営破綻のサロンが続々…一方でキッズ向け“セルフ脱毛”サロンが増加 小学生の施術に美容外科医が警鐘「安全性や実態に懸念」

AI要約

近年、脱毛ケアが一般化し、子ども向けの脱毛サービスも増えている中、脱毛サロンの経営破綻が相次ぎ、自宅での"セルフ脱毛"や"セルフ脱毛器"の需要が増加している。

医療脱毛とセルフ脱毛の違いやリスク、永久脱毛の可能性について、共立美容外科の實藤健作医師が解説している。

医療脱毛は毛根の細胞を破壊し、脱毛効果は高いものの、再生の可能性や肌へのダメージも考慮すべきである。

経営破綻のサロンが続々…一方でキッズ向け“セルフ脱毛”サロンが増加 小学生の施術に美容外科医が警鐘「安全性や実態に懸念」

 美容意識の高まりにより、一般化するとともに子どもにまで進んでいる脱毛ケア。競争激化から脱毛サロンの経営破綻が相次ぐ中、より手軽かつ安価な「セルフ脱毛サロン」が増えており、家電量販店では家庭でできる「セルフ脱毛器」がずらりと並ぶ。なかには、“キッズ向け”を歌うサービスも増えている。しかし“セルフ”で行う脱毛にリスクはないのか。またその効果のほどは? 医療脱毛を提供する共立美容外科の實藤健作医師に聞いた。

◆“永久脱毛”は医療機関のみ “医療”と“セルフ”脱毛のメリット・デメリットを十分理解を

──昨年、大手脱毛サロンの「銀座カラー」と「シースリー」が相次いで経営破綻し、倒産に追い込まれる脱毛サロンは少なくありません。施術が受けられなくなるばかりか、高額な契約金が返金されない、ローンを払い続けているといったトラブルも続出しており、共立美容外科では被害者救済の動きが行われました。その一方では、「セルフ脱毛」を謳った比較的安価なサロンや商品が増えています。これらは御社が提供している「医療脱毛」と、どのような違いがあるのでしょうか?

【實藤健作さん】 まず医療脱毛とは「強力なレーザーを肌に照射し、毛根の細胞を破壊する医療行為」のことで、医師法第17条により専門の医療者のいる医療機関でしか行えません。エステサロン(対人、セルフともに)で使用している機器で、毛根を破壊するほど出力を上げるのは違反行為となります。家庭用脱毛器も同様で、出力はさほど高くできないはずです。いずれにしても“セルフ”は除毛効果はあるものの、時間が経てばまた毛は生えてきます。

──医療脱毛をすれば、永久に毛は生えてこないのでしょうか?

【實藤健作さん】 医療脱毛は景表法上では“永久脱毛”という表現は可能です。ただし人間の体はダメージを受けても再生する力があります。そのため毛根が再生されれば生えてきます。またレーザーは色の濃い毛に反応する性質がありますので、産毛や白髪は完全には脱毛できません。とはいえ破壊した毛根からは毛は生えてこないため、脱毛効果は高いと言えます。

──医療脱毛にはどのようなデメリットがありますか?

【實藤健作さん】 レーザーの出力が高いということは、それだけ肌へ与えるダメージも高くなります。特に髭やVIOなど毛の濃い部位は痛いとされています。ちなみに毛根が減ってくると痛みも少なくなるので、最初の施術が一番つらいと思います。もちろんダメージが最低限に抑えられるよう慎重な施術はしますが、リスクを伴う行為だからこそ、もしもの際にも対応できる医療者がいる医療機関にのみ許可されているというわけです。