20代の仕事相手に電話をしたら、かなり戸惑われた模様。もっと気になる「いただきます」乱用の丁寧すぎるメール

AI要約

作業効率のためにメールでのやり取りが主流になる中、電話を使うことでストレスを解消しようとする40代女性フリーランスのエピソード。

アポ取り後の電話やオンライン会議での電話予約など、電話を使うことに違和感を感じながらも、相手とのコミュニケーションを円滑にするために活用する小林さん。

電話を通じて話すことで、相手とのコミュニケーションがスムーズになり、自身のストレスも解消されることを実感する日々を送る小林さん。

20代の仕事相手に電話をしたら、かなり戸惑われた模様。もっと気になる「いただきます」乱用の丁寧すぎるメール

世間から「大丈夫?」と思われがちな生涯独身、フリーランス、40代の小林久乃さんが綴る“雑”で“脱力”系のゆるーいエッセイ。「人生、少しでもサボりたい」と常々考える小林さんの体験談の数々は、読んでいるうちに心も気持ちも軽くなるかもしれません。第22回は「やっぱり電話がしたい」です。

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◆アポ取り後の電話

「あ、もしもし。どうもお世話になります。小林久乃です。いただいたメールの件で、ちょっと不明点がありまして、電話をしました」

「……(おそらく面食らった顔をしているはず)あ、はい」

「今、お時間よろしいでしょうか? もし無理ならかけ直します」

「あ、いえ、どうぞ……」

とある日。20代の男性編集者に不明点があったので電話をしたのだが、彼は完全に驚いていたうえに、会話が辿々しかった。それだけではなく「なぜこの人は俺に電話をしてきたのか」という、疑問と恐怖が声から滲み出ていたように思う。

「すみません。若い方は電話が苦手だとは重々承知しているんですけど……」

彼とは連日、コラムの執筆内容についてメールでやり取りをしていた。が、レスポンスがなかなかうまくいかず、メールラリーに突入していたのだ。

受注側の私は発注側のリクエストに応えて、原稿を完成させることが仕事だ。お互いになるべく時間のロスが生じないよう、問題は解決してから書きたい。受け取る側にもストレスなく読んでほしい。それならば早く問題を潰さねばと、電話を入れた。彼の反応は特にこちらも珍しいものではなく、ここ数年間は電話をしないことが“至極当然”の雰囲気になっている。全てのやり取りはメールを通してほしいということだ。

最近では事前にアポを入れてから、電話を入れることもある。オンライン会議ではなく、単なる10~20分程度の通話なのに予約が必要なのだ。このシステムにはどうも納得がいっていない。

ただおかしなもので、電話をかける人=私の元にはよく電話がかかってくる。自宅で作業をしているときは、話しやすいように午前中からAirPodsを装着してパソコンに向かう。

「あ、この間提案した企画の件ですよね。そちらラジオ局へ回しておりまして……」

ご時世、ログを残さなくてはいけない内容であれば、通話終了時に箇条書きでメールを送ることもある。面倒に思われそうだけど、大した作業ではない。それでも話したというだけで溜飲が下がるのは、私だけなのだろうか……?