小野賢章「毎回がターニングポイント」芸歴30年…いまだに忘れられない先輩の言葉

AI要約

『好きでも嫌いなあまのじゃく』は、高校生の男の子と鬼の少女の出会いと成長を描いた心温まる青春ファンタジー作品。

主人公・柊を演じる小野賢章さんが30年の芸歴を持ち、仕事への思いや出会いについて語っている。

柊はお人よしで空回り気味だが内向的ではなく、周囲の人たちとのやり取りや友情が描かれる。

小野賢章「毎回がターニングポイント」芸歴30年…いまだに忘れられない先輩の言葉

 『ペンギン・ハイウェイ』(2018)で称賛を浴びた、新進気鋭のクリエイターが集まるアニメーションスタジオ「スタジオコロリド」の最新作・映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』が、5月24日(金)よりNetflixにて世界独占配信&日本劇場公開される。本作は、高校生の男の子と人間世界へやってきた鬼の少女との出会いと成長を描いた心温まる青春ファンタジーだ。

 山形県に住む高校1年生の柊(ひいらぎ)は、「誰かに必要とされたい」という思いから、「まわりの人のために」努力をするものの、なかなかうまくいかない男の子。ある夏の日、「幼い頃に消えた母を探しに来た」という鬼の少女・ツムギと出会った彼は、ツムギと一緒に、彼女の母親を探す旅に出る──。

 この物語の主人公・柊を演じるのは、『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』、『SPY×FAMILY』、『黒子のバスケ』など、さまざまな人気作品に出演してきた小野賢章さん。子役から芸能活動をスタートし、映画『ハリー・ポッター』シリーズのハリー役の吹き替えを担当して以来、声優としても幅広いジャンルで活躍する彼に、芸歴30年という長いキャリアの中で培ってきた仕事への思い、転機となった出会いについて話を伺った。

 「人から嫌われたくない」と思うあまり、無意識に周りに合わせて、自分の本当の気持ちにフタをするようになってしまった高校生・柊と、天真爛漫な性格で周囲の目を気にしない少女・ツムギ。一見、対照的なキャラに見える2人のロードムービーでもある本作について、小野さんは「彼らが旅の途中で、どんな人たちに出会って、どう変化していくのかが、見どころのひとつ」だと話す。

 「本当にいろんな人が出てくるし、それぞれの生き方や居場所がすごく丁寧に描かれていて。観た後は、自分のまわりにいる身近な人たちに会いたくなる作品だなと思いました」

 頼まれごとを断れないお人よしの柊は、少々空回り気味ではあるけれど、内向的なわけでも、口ベタなわけでもない。コミュニケーション能力も高く、見知らぬ少女ツムギが困っている様子を放っておけず、思わず助けてしまう優しい男の子だ。

 「いい人すぎて、なんでもやってくれる性格をちょっと周囲に利用されちゃっている面はあるけど、この先が心配になるような子じゃないなというのは、最初から思っていました。柊に共感できるところ、すごくありますよ。僕も頼まれたら、断れないタイプですし(笑)。自分の気持ちをそのまま言葉にするのではなく、これは言わなくてもいいかな? って、自分の中で自然に消化しちゃうことも多いので。それが難しいときは、友達や奥さんに思っていることを話したりして、ゆっくり消化するという感じ。だから、あんまり溜め込まないですね。ただ、これはさすがに折れることはできないな……ということがもしあれば、今後はもう関わらなくてもいい!  という覚悟のもと戦います(笑)」