イスラエルのガザ侵攻に声を上げない“ブロックすべきセレブ”のリストがトレンドに…Z世代が中心

AI要約

アメリカのZ世代は社会や環境問題に対して興味関心が高いと言われているが、イスラエルのガザ侵攻に対する反戦活動が活発になっている。

若者たちはSNSを活用し、セレブたちの沈黙に抗議する運動を展開している。

一部のアーティストや有名人はイスラエル支援に反対し、人道支援やチャリティ活動を行っている。

ソーシャルメディアを通じてセレブたちに対するブロック運動が広まり、広告主や賛同者がセレブたちの影響力を削ぎ、意思表示や経済的ダメージを与える可能性がある。

一方で、反イスラエル活動を支持するアーティストやセレブたちも存在し、自らの影響力や収益を使って支援や意思表明を行っている。

ハリウッドを中心にパレスチナ問題について沈黙を続けるセレブもいるが、一部のアーティストや有名人はパレスチナ支援に積極的に参加している。

Z世代たちの間では、セレブたちの行動や沈黙に関心が高まり、活発なディスカッションが繰り広げられている。

イスラエルのガザ侵攻に声を上げない“ブロックすべきセレブ”のリストがトレンドに…Z世代が中心

アメリカのZ世代は社会や環境問題に対して興味関心が高いと言われているが、ここに来て、イスラエルのガザ侵攻に対する反戦活動が活発になっている。ハーバードやコロンビアなどの各地の名門大学での反イスラエルデモのほか、メインのデモ会場となっているのが、TikTokをはじめとするSNSだ。「#blockout(ブロックアウト)2024」というハッシュタグで、イスラエルに対して沈黙を守るセレブたちのSNSをブロックしよう、というのがそれ。

彼らはパレスチナの罪なき人々の人道的危機のために自分たちの影響力を利用して声を上げようとしないセレブたちに不満を覚え、セレブたちのアカウントをブロックすることで彼らの収入源や影響力を抑止しようとしている。

アメリカソーシャルメディア分析サイト「Social Bladeによれば、TikTok、Instagram、Xなどのソーシャルメディアプラットフォームでは、人々はフォローを解除してブロックする有名人のリストを拡散。その影響でテイラー・スウィフト20万人のフォロワーを失ったというし、キム・カーダシアンはインスタグラムだけでも何十万人ものフォロワーを失ったと報じられている。

このムーブメントが広がったきっかけは、現地時間5月6日にNYで開催された「METガラ」。NYでは着飾ったセレブたちが宴を繰り広げる中、ガザ南部のラファではイスラエルが空爆を開始し、千人もの女性や子どもたちが包囲され虐殺されていた。その様子の対比を写真や動画で紹介する人々が現れ、「これぞまさにディストピアだ」という声が上がったのだ。

その2日後にはRaeという名のTikTokユーザー@ladyfromtheoutsideが、「緊急に助けが必要な人々のためにリソースを使用していないすべての有名人、インフルエンサー、裕福な社交界をブロックする時が来ました」と宣言する動画を投稿。彼女はTikTokとインスタグラムで「Blockout2024」と名乗るアカウントを開設し、ガザの侵攻に関して沈黙や中立の立場を示したりするコメントによりブロックされるべきと思われる主要なセレブや、その対象となるセレブがする企業の一部はシオニストとみなされ、ブロックすべきアカウントとしてリストアップしたリストを動画でシェア。これがSNSでバズり、現在の一大ムーブメントに発展した模様。

このブロックにより、ブロックされたセレブはSNSでの可視性が低下し、広告主はそのセレブの価値が低いと評価することでSNSでのPRに支払う金額を削減することになるという。つまり意思表示だけでなく、経済的にセレブたちにダメージを与えることができる、というわけ。

一方で、5月6日に反イスラエルの抗議デモを支持しバイデン政権を批判する新曲、「Hind’s Hall」をリリースしたアメリカのラッパー、マックルモアはその数日後に何千人もの新しいフォロワーを獲得。マックルモアは、ストリーミング配信で得たすべての収益を、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)に寄付すると表明している。

また、アリアナ・グランデも「#CeasefireNOW」というハッシュタグをつけて人道支援を表明。イスラエル支援を続けるバイデン大統領に対して抗議するオープンレターにサインアップした。アリアナが参加しイスラエルとパレスチナの間に起きている人道危機のために集まったアーティストとサポーター集団、「Artist4Ceasefire」にはほかにもドレイクやデュア・リパなどが参加している。ほかにもパレスチナ人の血を引くベラ・ハディッドがインスタグラムでパレスチナ支援のための寄付を呼びかけている。

音楽界の巨匠、エリック・クラプトンは、今週フランスで開催されたガザの子どもたちのためのチャリティライブに、パレスチナ国旗が描かれたギターで登場して拍手喝采を受けた。

多くのハリウッドスターがパレスチナ問題について沈黙を続けているが、これにはハリウッドを牛耳っているのはユダヤ資本だという背景がある。去年11月には、女優のスーザン・サランドンはパレスチナ支援の集会に参加して発言したことを理由に、エージェントから解雇されたばかり。

現在では700人以上のセレブたちがオープンレターに署名したと言われているが、まだまだ大勢いるブロックリストに並んだ大勢のセレブたちの動向に、Z世代たちの注目が集まっている。