カリスマ校長が生徒に説いた「校則は何のために守る?」の答え

AI要約

リーダーになるためには、簡単には動いてくれないという前提で戦略を練る必要がある。

リーダーとしての心構えとして、クリティカル・シンキングが重要であり、物事を深く考え、吟味する力が必要である。

クリティカル・シンキングを実践するためには、すぐに結論を出さず疑問を持ち続けることが重要である。

カリスマ校長が生徒に説いた「校則は何のために守る?」の答え

「いいリーダー」には誰でもなれます。生まれつきの才能はいりません。人気者でなくても大丈夫です。でも、リーダーになる人が必ず知っておかなくてはならない、とても大切なことがあります。それは……。数々の大胆な学校改革を実現し、各界からその手腕が注目されるカリスマ校長・工藤勇一氏。工藤氏が生徒たちに自ら「リーダーシップの基本」を講義した特別授業で伝えたこととは? 『15歳からのリーダー養成講座』から一部抜粋して紹介します。

人は簡単には動いてくれないという前提で戦略を練るのが、リーダーのスタートラインです。

戦略の練り方や人を動かすための技術については改めて解説していきます。その実践編に行く前に、もうひとつだけ、リーダーとしての大事な心構えがあるので、今回はそれを説明させてください。

それは「クリティカル・シンキング」と呼ばれる思考の仕方です。一言で言えば、「深く考えること」。物事をいろいろな角度から見て、そこで得られた情報をもとに深く考え、吟味する。そのうえで本質的な課題を見つけたり、根本的な解決策を見出(みい)だしたりする考え方のことです。

日本語ではよく「批判的思考力」と訳されますが、この訳は誤解を招きやすいので僕はあまり使いません。あえて日本語で言うならば「本質を見抜く力」とか「吟味的思考力」とか「分析的思考力」といったところでしょうか。

「批判的思考力」と言ってしまうと、物事にケチをつけることが目的のように思われがちですが、違います。クリティカル・シンキングの目的は、課題解決や価値創造といった、あくまでも前向きなことです。

クリティカル・シンキングをすぐ実践できるわかりやすい方法は、「すぐに結論を出さない」ことです。自分のなかで結論が出たような気がしたら、あえて「それって本当か?」と疑い続ける。すると、その場の空気に何となく流されたり、情報に振り回されたりすることが減って、より適切な判断が下せるようになります。