「メンタル強くない」 松坂世代最後の現役・和田毅のSNS対処法

AI要約

和田毅さんは、学生時代や子供たちに向けて学ぶことの重要性について語っており、学校や学歴だけでなく、情報の入手方法や遊び方も考えるべきだと述べている。

和田さんはSNSの中傷や批判について言及し、自身もネットの書き込みを見ないようにしている。家族への攻撃など度の過ぎた表現は許されないと述べている。

和田さんは娘とのコミュニケーションに努めており、なるべく会話を重視している。家族との関係やコミュニケーションの大切さを強調している。

「メンタル強くない」 松坂世代最後の現役・和田毅のSNS対処法

 1980年度生まれの「松坂世代」で唯一の現役選手となった福岡ソフトバンクホークス投手の和田毅さん(43)。日米でプレーしてきたが、「僕も人間。メンタルが強いわけではない」と話す。

 さまざまな情報があふれる時代に生きる子どもたちに、和田さんが勧めるSNS(ネット交流サービス)との接し方とは。【聞き手・山口響】

 ◇無理に学校に行く必要はない

 愛知県で過ごした小学生時代は、学校に行きたくない時もありました。僕はとても小柄でした。いじめや暴力は受けていませんが、上級生から目を付けられました。

 今思えばただのケンカだったのかもしれませんが、母親が相手の家に乗り込んでいったこともあります。中学、高校ではいじめや不登校は身近にはありませんでしたが、学校が楽しくなさそうな子はいましたね。

 僕は、無理に学校に行く必要はないと思います。塾もあるし、高校卒業程度認定試験(旧大検)もある。

 過去の偉人たちも、必ずしも学歴が高い方ばかりではありません。勉強とは違う分野で活躍する人もいます。

 いろんな形で勉強できるし、情報を得られる時代です。勉強以外で一番になれる可能性があります。

 僕が子どものころは、学校から帰るとランドセルをポイッと投げて外に遊びに行きました。しかし今はインターネットやオンラインゲームなど、一人でできることが増えました。

 ご飯はコンビニで買えて、スマートフォンを見ながら食べられます。メリットもあると思いますが、嫌な情報を目にする機会も増えたと思います。

 ◇SNSは見ない

 特にSNSでは中傷が問題になっています。今回のパリ・オリンピックでは失敗した選手が罪人扱いされました。僕はネットの書き込みを見ないようにしています。見ても仕方がないからです。

 100人に嫌われても、100人が応援してくれればいい。当然、考えが合わない人はいます。ただ、家族への攻撃など度が過ぎることは許せません。

 メンタルが強いわけではありません。僕も人間です。いつも思うのは、ニュースサイトやSNSへの投稿に100件、1000件の批判的なコメントが付いても、そのニュースを見た10万、100万の人みんながそう思っているわけではないということです。一番いいのは見ないこと。

 高校生の娘がいます。塾などがあるのでなかなかタイミングは合いませんが、休日やご飯を一緒に食べる時には「学校はどう?」と話すようにしています。

 年ごろですし、父親に話しづらいこともあると思うので、妻に様子を聞くようにもしています。コミュニケーションが完璧にできているとは思っていませんが、なるべく会話するようにしたいと思っています。

 ◇わだ・つよし

 1981年2月生まれ。島根県立浜田高、早稲田大を経て2003年にプロ野球・ダイエー(現ソフトバンク)に入団。12~15年に米大リーグでプレーした。「松坂世代」最後の現役選手。大学進学時は高校教師を目指し、野球部の監督が夢だった。