「頭のいい子は“ただの暗記”はしていない」教育のプロが明かす、偏差値65以上の“成績トップ層”が本当にやっている社会科の勉強法

AI要約

社会科の科目の勉強法は、暗記だけでなく物語形式で学ぶことが重要。

歴史はつながりや流れを把握し、地理は想像力を働かせて吸収する。

公民は自国を想像して学習し、テストに出やすい用語を重点的に暗記する。

「頭のいい子は“ただの暗記”はしていない」教育のプロが明かす、偏差値65以上の“成績トップ層”が本当にやっている社会科の勉強法

社会科の科目の勉強法は、ひたすら暗記するのみだと思っていませんか? では成績上位1%の生徒たちはどのように社会を勉強しているのでしょうか?

成績上位1%と聞くと「天才」の領域だと考えてしまいがちですが……「偏差値」という括りだけで言うと、才能は関係なく努力次第で実現は可能なのだと、数多くの難関校合格者を輩出した、人気教育系インフルエンサーのラオ先生は言います。

そこで今回は、ラオ先生の著書『成績上位1%が実践している勉強法』(イースト・プレス)から、“成績上位がやっている社会の勉強法”というトピックスをご紹介します。

歴史、地理、公民の3科目を、まるで映画を観たり、旅行に行ったりするようなワクワク感で学ぶ方法とは?

3科目の勉強を身近な例にたとえると……

中学社会には、歴史、地理、公民の3科目がありますね。ここでは、それぞれの特徴と学習の指針を紹介します。

まずは歴史です。歴史の勉強は、年号を覚えることが最優先ではありません。すべての歴史上のできごとには原因と結果、その後の影響があり、ほかのできごとと繋がり合っています。そのため、歴史の「つながり・流れ」を把握しながら勉強を進めるほうが、歴史の力が身につきやすくなります。

私自身、社会はあまり得意ではなく、年号や用語をひたすら暗記して、できごとを年代順に並び替えながら、歴史の試験にのぞんでいました。その結果、公立入試は9割以上対応できたのですが、難関国私立校の受験ではあまり通用しませんでした。

また、難関校の受験では高校の日本史・世界史の内容にまで踏み込んで出題されることが多いため、覚えなければいけない用語や年号の量は膨大で、暗記だけに頼るのは無理があります。そのかわり、流れに沿ってつかんでいくと、年号を覚えていなくてもできごとを順番に並べ替えられたり、用語が自然に頭に浮かんできたりします。た

とえばある戦争の場合、戦わなければならない状況に陥った理由や戦後の影響、結ばれた条約になぜそういった条項があるのかということなどです。

歴史を物語形式で説明できる?

くり返しになりますが、歴史は1つの線でつながっています。しかも1つの歴史上のできごとは、5~10年、そして100年のスパンで影響を波及させていきます。このつながりや広がりを把握するためには、俯瞰する(高いところから全体を把握する)視点が必要になります。そして歴史を物語形式で説明できるようになると、俯瞰ができるようになります。

その土地にはどんな人が住んでいるんだろう?

地理では、世界各国、各都道府県の特徴を押さえる必要があります。ところでみなさんは、東京ディスニーシーにあるソアリン:ファンタスティック・フライトに乗ったことはありますか? ソアリンは世界中の名所の上空を飛ぶ体験ができるアトラクションです。3D画面を通して目で見るだけでなく、音や匂いも体感することができます。

地理の勉強でも同じように、世界中の国や日本の各地にどんな特徴があって、人々はどんな暮らしをしているのかを想像し、まるでソアリンに乗って旅をしているかのように各地の特徴を吸収していくと効果的です。

どうしたら住みやすい国ができる?

中学校3年ではじめて習う公民は、大きく政治分野と経済分野にわかれます。いずれも日本という国の仕組みを学ぶ分野になります。そのため、「自分で国をつくるとしたら、どんなところに気を付けて取り組んでいけばよいのか」「こういうことに注力すれば、住みやすい国づくりができるんだ」という視点をもって学習に取り組んでいくと、公民学習は暗記から理解に変わります。たとえ空想だとしても、自分の国を作れるなんて、楽しいと思いませんか?

そしてその上で、テストに出てきやすい用語を1つひとつ吸収していけば、公民の成績は確実にアップしていきます。

とはいえ、社会は暗記から避けられません。次回は、私がおすすめする「効率的な暗記」についてご紹介します。