子供を英語教室に通わせたがる親の共通点…親の「英語コンプレックス」が子供の才能を潰していると言えるワケ
子供を育てる際には変化を受け入れることが重要であり、旧ジャニーズ事務所や宝塚歌劇団の例からもそれがわかる。
変化を避けることが大きな負の結果をもたらす可能性があり、日大アメフト部や旧ジャニーズ事務所の問題がその典型例となっている。
周囲の価値観にとらわれず、常に新しい考え方を持つことが重要であり、特に終身雇用が当たり前ではない現代社会においては、自己革新が求められる。
「頭のいい子」に育てるために、親はどうしたらいいのか。進学塾「VAMOS」代表の富永雄輔さんは「英語が苦手だった親ほど子供を語学教室に通わせたがる。語学力を身につけるだけでは時間の無駄になりかねない」という――。
※本稿は、富永雄輔『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。
■旧ジャニーズ事務所、宝塚歌劇団に共通する「失敗」
私たち人間はどうしても今の自分を守ることに注力し、変化を嫌います。しかし、「変わる」ということは、その人の人生にとっても、世の中全体にとっても、非常に大切な要素なのです。
最近の例で言えば、日大アメフト部や旧ジャニーズ事務所、そして宝塚歌劇団の問題などが、「変わることを嫌って大きな負を抱える」姿を露呈しました。
深い事情を知っているわけではありませんが、日大内部には変えなくてはならないものがありながら、それを変えたくない勢力が存在していたことは間違いないでしょう。そのために国からの助成金は交付されず、人々からの信頼も失うことになり、ついにあの歴史ある部が廃止という結果になりました。
■自分自身は常に新しくあれ
旧ジャニーズ事務所は、未成年に対する性加害に世界がどう反応するかについて、あまりにも無知でした。しかも、外部からの指摘など握り潰せるという古い価値観に支配された行動をとり続けました(それを糾弾せずに加担すらしたマスメディアの価値観も、相当に古いものでしたが)。
彼らは、自分たちに対する世の中の批判が思いのほか強いことを初めて知って、慌てることになりました。みんなから憧れられる最先端の仕事をしているつもりだった彼らは、ひどく古かったわけです。
こうした事案は、数え上げたらきりがありません。経済界や政界、はたまた教育界でも、古い価値観に縛られている人はたくさんいます。
とくに、古い企業などにいると、外からの指摘を受ける機会が少なく、「自分たちの常識は世界の非常識」であることに気づけません。
それでも、終身雇用が当たり前だった頃は、そこで仕事人生を完結することが可能でした。しかし、もうそういう時代ではありません。みなさんが何歳だろうと、どんな環境に身を置いていようと、自分自身は常に新しくあらねばなりません。