子育てを機に、ヒステリックになってしまった親友との関係に悩む41歳女性に、鴻上尚史が「必ず2人は話せるようになる」と伝えた真意とは
親友が子育てを機にヒステリックになり、提案を怒られてしまった41歳女性。絶縁すべきか悩んでいるが、実は親友は環境や自責の念からだと思われる。
親友がベビーシッターを頼むことに抵抗がある可能性を示唆。周囲の理解や経済的要因も影響している可能性があることに気付くべき。
鴻上尚史は、必ず話せるようになると伝える。冷静に状況を見極め、親友との関係を修復する努力が重要である。
子育てを機に人が変わったようにヒステリックになってしまった親友との関係に悩む41歳女性。一方的に電話を切られてしまったため、女性から連絡するのが怖いという。そんな女性に鴻上尚史が「必ず2人は話せるようになる」と伝えた真意とは
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【相談236 】
親友が子供を持ち、ヒステリックになってしまいました。私達はこのまま絶縁になるべきなのでしょうか?(41歳 女性 バンクス)
古くからの親友が子供を持ち、子育て中の悩みからか人が変わったようにヒステリックになってしまいました。
先日電話で話した時、彼女に、少しでも助けになりたいと思い「一日だけでもベビーシッターなどどうか?」と提案したら、「子供がいないあなたには何もわからない!」と怒り出して電話を一方的に切られてしまいました。驚いた私はこちらから連絡するのも怖くなり、その後連絡をとれない状況です。
私はさみしいですが、私達はこのまま絶縁になるべきなのでしょうか?
【鴻上さんの答え】
バンクスさん。そうですか。怒られてしまいましたか。親友さんは、本当に切羽詰まっているんでしょうねえ。パンクスさんが心配する気持ちはよく分かります。
ただ、「一日だけでもベビーシッターなどどうか?」と提案したのはまずかったんじゃないかと僕は思います。
子育てで苦労している親友さんは、そんなことはもう何万回も考えているだろうと思うからです。
でも、そうしてないのは、理由があるからでしょう。
すぐに浮かぶのは、夫や義理の両親の無理解や反対です。日本では、まだまだ「ベビーシッターを雇う」ということを理解しない人がいます。
「そんなものに頼るなんて」とか「母親失格」とか「子育ての要領が悪すぎる」なんていうレッテルを貼られる危険性があるからです。
夫や義理の両親が直接責めなくても、自分で自分のことを「ベビーシッターに頼る私はダメだ」と一方的に責めてしまう人もいます。真面目だったり、責任感が強かったりする人に、この傾向があります。
スーパーの惣菜や冷凍食品を食卓に並べる妻や嫁に対して、「手料理じゃない」ということを責める夫や義理の両親がいるでしょう。「料理をしていない」と自分を責めてしまう真面目な人もいますよね。それと同じですね。
もちろん、経済的な理由で、ベビーシッターを頼めない人もいるでしょう。