「キラキラネーム」どうなる? 改正戸籍法で読み仮名を規制、過度な当て字がNGに

AI要約

政府は改正戸籍法を決定し、氏名の読み仮名に制限を設けることを発表。

具体的な基準やNG例を示し、キラキラネームに一定の制限を設ける方針を示す。

日本の歴史や命名文化を踏まえ、柔軟に名前を受け入れる姿勢を示す。

「キラキラネーム」どうなる? 改正戸籍法で読み仮名を規制、過度な当て字がNGに

 奇抜な名前はもう付けられなくなるのか……。

 政府は10日の閣議で、改正戸籍法を来年5月に施行することを決定した。氏名の読み仮名を戸籍に記載することになるが、その際「用いる文字の読み方として一般に認められるもの」にしなければならないと基準を設定。「キラキラネーム」に一定の制限が設けられた。

 法務省は先んじて、いくつかのNG例を提示。①漢字の持つ意味とは反対の意味による読み方(高をヒクシと読む)、②読み違いかどうか判然としない(太郎をジロウ、サブロウと読む)、③漢字との関連性が認められない(太郎をジョージ、マイケルと読む)など、社会を混乱させるものは認められない可能性があるという。細かい基準などについては今後、各自治体に通知される。

「キラキラネーム」については子どもが不利益を訴えるなど、あまりにも本来の漢字の読み方とかけ離れた名前が問題視されてきた。今回の法改正で歯止めがかかるのかと思いきや、案外そうでもなさそうだ。

 歴史的に日本はこれまで、さまざまな名前の読み方が受け入れられてきた。

 例えば、人名に独自の読みが用いられる「名乗り訓」は、源頼朝の「トモ」がその代表例だ。法制審議会の資料によると、「幅広い名乗り訓等を許容してきた我が国の命名文化を踏まえて、柔軟に受け入れることが求められる」としている。

■実はユルい基準

 制限の基準である「一般に認められている」かどうかについても、現にさまざまな「キラキラネーム」が存在している。こうした事実を考慮し、「騎士(ナイト)」や、「光宙(ピカチュウ)」なども認められる可能性が高い。

「基準について、詳細はまだ決まっていません。ですが、窓口となる自治体が判断に迷う場合はまず届出人に説明をしてもらい、それをもとに認められるかを決めます。それでも判断が難しければ、法務省など上部組織での判断になることが考えられます。いずれにせよ、すでに示している例に該当しない限りは、基本的には幅広い振り仮名が認められるでしょう」(法務省民事第一課)

 思いのほか「キラキラネーム」はなくならなそうだ。少なくとも、最初に判断しなければならないのは自治体の職員。頭を悩ませている姿が今から目に浮かぶ。

  ◇  ◇  ◇

 自民党総裁選に出馬表明した小林鷹之前経済安保相の「コバホーク」はさしずめ、「キラキラあだ名」といったところか。●関連記事【もっと読む】「コバホーク」って響きはいいけど…かっこいい“あだ名”を付けたくなる政治家はどこにいる?…では、政治家のあだ名について伝えている。