運転中に携帯電話で通話すると違反になるのに、助手席の人との会話はなぜOKなの? 通話との差は何ですか?
運転中の通話が違反になる一方、助手席の人との会話は問題ない理由を解説。
運転中の“ながらスマホ”は危険な行為として注意が必要であることを強調。
注意力、手の使用、視線の移動という3つの面から、運転中通話と助手席会話の違いを明らかに。
車を運転しているときに携帯電話で通話すると道路交通法違反になります。それに対して助手席の人との会話が違反にはならないのは何故なのかと気になる方もいるでしょう。
今回は、運転中の通話が違反になり、助手席の人との会話が問題ないとされる理由をご紹介します。あわせて「ながらスマホ」がどのような行為か、罰則はどうなっているのかもまとめました。
運転中に禁止されている「ながらスマホ」とは、運転中にスマートフォン(以下スマホ)を使用する行為のことです。具体的には以下のような行為が該当し、道路交通法違反となる可能性があるため注意しましょう。
●スマホを持って通話する
●スマホを注視する
●カーナビゲーションの画面を注視する
なお、運転中のスマホ使用に関する法律は令和元年12月に施行され、「ながらスマホ」による事故件数は大幅な減少を見せました。しかし減少は一時的なものであり、令和3年以降、「ながらスマホ」による事故の割合は増加しています。
このことから、運転中の「ながらスマホ」は大変危険な行為といえるでしょう。自分だけでなく周囲を守るためにも、「ながらスマホ」は控えるべきです。
運転中にスマホを使用して通話する行為は道路交通法違反となりますが、助手席の人と会話することは問題ないとされています。その理由として、以下の3点が考えられます。
●注意力の分散度合い
●手の使用有無
●視線の移動
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
■注意力の分散度合い
運転中の通話と助手席の人とする会話とでは、注意力の分散度合いに差があると考えられています。スマホを使用した通話の場合、相手が目の前にいないため、運転手が声に集中することで、注意力が散漫になったり集中力が下がったりなどの危険性が考えられるでしょう。
対して助手席の人と会話する場合、近くに人がいるため、身振り手振りや表情などの視覚情報も得られます。このことから、声のトーンや内容に集中する必要がなく、注意力の分散度合いに差が出ると考えられます。
■手の使用有無
一般的に助手席の人と会話する際、スマホで通話するときのように、手をふさがれることはないと考えられます。しかし、運転中に通話する場合は、スマホを手に持ちながらハンドルを操作する可能性があります。
このとき、ハンドル操作を妨げるリスクがあり、危険性が著しく増すと考えられています。仮にハンズフリーであったとしても、通話開始時や終了時はスマホを操作しなければならず、このタイミングで危険がともなうとも考えられます。
■視線の移動
スマホを操作する場合、どうしても視線はスマホの画面に移動してしまいます。動作中は車の前方から目を離すこととなり、信号の変化や急な飛び出しなどに対応するのは難しいでしょう。
仮に時速50キロメートルで一般道を走行している場合、2秒目を離しただけで約28メートル進むとされています。もし前方の車が急停車した場合などは、ブレーキを踏んでも間に合わず、事故が起きてしまう可能性もあるでしょう。
助手席の人と会話する場合に視線を移動するケースはあまりないと考えられるため、この部分に大きな差があるといえます。