尊敬するガーデナーや仲間たち~連載「日本一美しい 牧場の宿根草ガーデン」より
神奈川県愛川町にある服部牧場の宿根草ガーデンは園芸愛好家の間で話題となっています。夏の残暑も和らぎ、涼しい風が吹くようになり、植物たちも秋への準備を始めています。
ガーデナーの平栗智子さんがボランティア経験を通じて得た庭づくりの知識や仲間との交流について語っています。先輩からのアドバイスや仲間のサポートが彼女の庭づくりの基盤となっています。
9月号では宿根草ガーデンで見られる魅力的な植物の紹介や庭づくりのヒントが掲載されています。ナチュラリスティックな雰囲気を楽しめる内容となっています。
園芸好きの間で話題の、神奈川県愛川町の服部牧場にある宿根草ガーデン。残暑は残るものの、丹沢に近いせいか夜には涼しい風が吹くようになり、植物たちもひと息つけるころです。少しずつ秋へと移り変わるガーデンはまだまだ見ごろが続きます。
『趣味の園芸』で連載中の「日本一美しい 牧場の宿根草ガーデン」、9月号より一部を抜粋してお届け。
【上の写真】手前から、黄色い花はルドベキア(シードヘッドも)、ピンク色と紫色はフロックス、中段の淡い紫色の花はシオン、その奥のピンク色はダリア、その隣の銅葉はぺニセタム(別名ミレット)′パープル・マジェスティ′。
牧場のガーデナーになる前にガーデンボランティアを経験した平栗智子さん。そこではガーデンとの向き合い方を教えてくれたガーデナー、園芸歴の長い先輩となど、プロアマを問わずにかけがえのない出会いがあったという。
「園芸店に勤めていたころはサンプルガーデンが初めての庭づくりでした。庭植えの経験がほぼない状態で作業していたので、とにかく一度習ってみたくてボランティアに参加しました。
なかでも私が勝手に師匠とお呼びしているガーデナーの稲岡一乃さんには、個々の植物の世話よりも、庭づくりのあり方という大きなことを教わったような気がします。よく覚えているのは、一時期私がエノコログサなどの雑草さえも愛おしく抜けなかったときの稲岡さんのひと言。
『私たちは草原をつくっているんじゃないから。ガーデンをつくっているのよ』。これで吹っ切ることができました。一方で、『どの植物を雑草とするかは、その庭のガーデナーが決めればいい』という言葉も心に残っています。
稲岡さんはいつもわかりやすく指導してくださり、植えつけ、切り戻し、剪定など、ボランティアのメンバーにも実践的な作業をさせてくれました。
集まったボランティアの方々から教わることも多々。オープンガーデンやそのときはやり始めていたブログなど、耳にした情報は当時の私には知らないことばかりでした。
今でも交流は続き、例えば切り戻しなどはみなさんの庭でのタイミングから牧場ガーデンの作業時期を決めることも。ガーデナー歴の短い私がなんとか庭づくりができるのはそんな仲間の支えがあるからです」
9月号では平栗さんが選んだすてきな宿根草を紹介しています。ナチュラリスティックに移り変わる四季折々の宿根草と庭づくりのヒントを、誌面でお楽しみください。
●連載「日本一美しい 牧場の宿根草ガーデン」
神奈川県・服部牧場のガーデン。ナチュラリスティックに移り変わる四季折々の宿根草と庭づくりのヒントを、ガーデナーの平栗智子さんに案内していただきます。
平栗智子(ひらくり・ともこ) ガーデナー
園芸店でサンプルガーデンや宿根草の仕入れを担当し、ガーデンボランティアで経験を積む。2015年秋から神奈川県愛川町にある服部牧場内の宿根草ガーデンのデザインや管理を手がけている。
服部牧場(神奈川県愛甲郡愛川町半原6087) *牧場は入場無料。
『趣味の園芸』2024年9月号 日本一美しい 牧場の宿根草ガーデン「第6回 ボランティアでの出会い」より