仕事机の種類で生産性と健康に差が出る?研究によって明らかになった「生産性を向上させるデスク」とは

AI要約

スタンディングデスクを使用することで、不快感を軽減し生産性を向上させることが可能。

スタンドバイアスデスクを使用するオフィスワーカーは不快感が減少し、より多くの時間を立って過ごすことができる。

研究ではスタンディングデスクを使用することでタイプミスが増加するものの、生産性が向上し、健康リスクが軽減されることが示唆された。

仕事机の種類で生産性と健康に差が出る?研究によって明らかになった「生産性を向上させるデスク」とは

新しい研究によると、不快感を軽減し、生産性を向上させたいなら、スタンディングデスクに切り替えるとよいかもしれない。

一般的なデスクと椅子を使用しているオフィスワーカーでは80%の人が腰の不快感を経験しているのに対し、いわゆる「スタンドバイアスデスク」を使用しているオフィスワーカーでは、その数が50%強にまで減少することが新しい研究で明らかになった。「スタンドバイアスデスク」とは、おおよそ立った状態の肘の高さに固定されたデスクと、オフィスチェアまたはシリンダーが伸縮する椅子を組み合わせたものである。

1日8時間の労働時間のほとんどを座って過ごすオフィスワーカーは、座り仕事の少ない人に比べて、日中の疲労、高血圧、筋骨格系の不快感などの症状を頻繁に経験することは広く知られている。

■デスクの種類による生産性と不快感の違い

テキサスA&M大学公衆衛生大学院の研究チームは、ある主要大学のオフィスワーカー61人のコンピューター使用量と活動レベルを10日間測定し、不快感の調査と可能な改善策の検討を行った。

研究者らは、参加者をワークステーションの種類に応じて3つの研究グループに分けた。スタンドバイアス型、シットスタンド型(高さ調節が可能なデスクと一般的なオフィスチェアを組み合わせたもの)、従来型(一般的なデスクとオフィスチェア)の3つだ。

生産性の測定には、ワークステーションでのコンピュータ使用状況を非表示のソフトウェアを用いてモニターした。身体活動のモニターには活動量センサーを使用し、1週間稼働させ、活動レベルとエネルギー消費量を数値化し測定した。最低10日間分のコンピュータ使用データを確保し、統計分析ソフトウェアを用いて分析を行った。

「3つのグループ間でタイピングの回数に有意な差は見られませんでしたが、スタンドバイアス型グループは従来型グループよりもタイプミスも増加したものの、単語数が著しく増加しました。さらに、24時間の活動データから、スタンドバイアス型グループは、従来型グループと比較して、立っている時間が大幅に長く、座っている時間は短く、1時間あたりの移動回数が少ないことが明らかになりました。」と同大学のケイシー・アギラー博士は話す。

不快感に関しては、全参加者の65%が首の不快感があると報告し、従来型グループでは80%が腰の不快感を報告したのに対し、スタンドバイアス型グループでは51.7%であった。

スタンドバイアス型グループとシットスタンド型グループは、従来型グループより立つ時間が長く、座る時間は短かったが、結果の差は統計的に有意ではなかった。また、従来型グループは座位から立位への移行頻度が著しく高かったが、スタンドバイアス型グループの方がより多くのエネルギーを消費していた。

「つまり、座りっぱなしの仕事による健康問題のリスクは、シットスタンド型やスタンドバイアス型のようなデスクオプションによって軽減できるということです。これは、雇用主が求める高い生産性を保ちつつ、働く人の健康に寄与するWin-Winの解決策なのです。」とアギラー博士は語る。

出典:

Standing desks may cut pain and boost productivity|FUTURITY

Does The Type Of Workstation You Use Make A Difference In Your Health And Productivity?|TEXAS A&M TODAY

文/HIDEMI