管理職が「創造的なマネジメント業務」に使える時間は業務全体の2割未満

AI要約

管理職やメンバーの業務実態に関する調査結果が発表され、多くの管理職が創造的マネジメント業務に時間を割けていないことが明らかになった。

調査では、プレイング業務やメンバーの業務把握が管理職の大半の時間を占めており、戦略策定や育成に十分な時間が割かれていない実態が浮かび上がっている。

さらに、メンバーの業務把握に時間的・心理的負担を感じる管理職が多く、働き方改革やリモートワークによって業務負担が高まっている状況も示唆されている。

管理職が「創造的なマネジメント業務」に使える時間は業務全体の2割未満

働き方が多様化し、労務管理やコンプライアンス遵守へのプレッシャーが増大しがちな今の時代。「マネジメント業務」への難易度と負担は高まっている。

こうした中、TONOMEは、企業の管理職300名とメンバー200名を対象に「『創造的なマネジメント業務』への取り組み実態」に関する調査を実施し、その結果を発表した。本調査は、全3回にわたって行われている「マネジメントに対する管理職とメンバーの意識調査」の第2回だ。

管理職として本来重要であると言われる「メンバーの育成や戦略策定/推進、イノベーション」等の業務にどれくらいの時間を割いているかを調査したところ、業務全体の2割未満であることが明らかになった。

業務全体の約6割を占める「プレイング業務」と「メンバーの業務把握」が、管理職の多くの時間を占めていることがうかがえる。

現場に近い次長・課長クラスでは、部長クラスに比べて「プレイング業務」に費やす割合が高く、メンバーの状況把握と創造的マネジメント業務に十分な時間を割けていないことがうかがえる。

特に、課長クラスの「戦略策定や実行、育成、業務改善など」に充てられている割合が低く(14.6%)、「プレイング業務(43.7%)」と「メンバーの状況把握(16.8%)」で業務の大半を占めてしまっている実態が見えてきた。

「戦略策定や実行、育成、業務改善」などの業務に、十分な時間を割けていないと感じている管理職に対してその理由を聞いたところ、「メンバーの業務や進捗状況の把握に時間がかかるため(37.6%)」「自身のプレイング業務に時間がかかるため(35.5%)」が上位となった。

調査結果(1)では、管理職の業務割合は「プレイング業務」が約4割で最も高く、「メンバーの業務や進捗状況の把握」は約2割となっていた。

それにもかかわらず、創造的マネジメント業務に十分な時間を割けていないと感じる理由として、「プレイング業務」よりも「メンバーの業務や進捗状況の把握」が多く挙げられたことは、その「時間的負担」もさることながら「心理的負担」の大きさを物語るものと言える。

第1回の調査でも、管理職の約9割が「メンバーの業務把握が重要だ」と思っている一方で、「メンバーの業務把握が心理的もしくは時間的負担になっている」と感じる管理職は約6割にのぼることがわかっている。

後編では、働き方改革やリモートワークの普及により、業務負担が高まっていると感じる管理職はどれくらいいるのか、負担が高まっていると感じる業務はどのようなものか聞いた。

<調査概要>

調査方法 :WEBアンケート

調査対象 :企業で働く管理職(部長、次長、課長)、メンバー(係長、主任、一般)

有効回答数:500名(管理職300名、メンバー200名)

調査実施日:2024年6月14日~15日

調査主体 :TONOME株式会社

出典元:TONOME株式会社

構成/こじへい