18歳高校生の娘が「お小遣いを月2万円にしてほしい」と頼んできました。理由は「芸能人が勧める化粧品を定期購入した」そうで…親の私が解約できますか?

AI要約

Aさんの18歳の娘が友達と化粧品の定期購入をしたが、Aさんが解約したいと考えている。成年となった18歳以上の契約は親が一方的に取り消すことはできない。未成年取消権は行使できない。

若年層は主に美容に関するトラブルに巻き込まれることが多い。18歳・19歳の消費生活相談では脱毛エステや医療サービスが上位に含まれている。

通信販売での定期購入に関する相談では、18歳・19歳の若者による化粧品の購入が圧倒的に多い。20歳未満はネット購入に依存している。

18歳高校生の娘が「お小遣いを月2万円にしてほしい」と頼んできました。理由は「芸能人が勧める化粧品を定期購入した」そうで…親の私が解約できますか?

Aさんの娘は18歳高校生です。夏休み中に友だちと、今話題の化粧品を定期購入したのでお小遣いを上げてほしいと言ってきたそうです。お小遣いは上げる予定はないし、定期購入が毎月それなりの金額なので、妻と相談して解約したほうがいいということになったのですが、子どもがした契約を親が解約できるのでしょうか?

2022年4月から、18歳で成年と扱われることになりました。契約行為に関しては、未成年者は親などの親権者の同意が必要で、同意のない契約は原則として取り消すことができますが、成年となった18歳以降の契約を親が一方的に取り消すことはできません(※1)。

他にも、18歳からできるようになったこととして次のことが挙げられます(※2)。

●契約の例:携帯電話の契約、ローンを組む、クレジットカードを作る、賃貸住宅を借りる

●公認会計士や司法書士など各種資格の取得

●裁判員として刑事裁判に参加

●10年有効のパスポートの取得 など

なお、喫煙、飲酒、公営ギャンブルなどは、20歳までできません。

今回の相談のケースも、親権者が契約を無効にできる「未成年者取消権」は行使できないと考えられます。

若年層は、どのようなトラブルに巻き込まれることが多いのでしょうか。令和6年版消費者白書でその一端が垣間見えます(※3)。

成年年齢引き下げ後の18歳・19歳の消費生活相談では、女性では脱毛エステティックが多くを占めており、「娘が高額な契約をしたので解約させたい」といった相談が寄せられています。その他にも医療サービスや健康食品など、女性は美容に関するトラブルが上位にいくつか含まれています。

では、Aさんからの相談にあった「定期購入」に関する消費生活相談では、どのような商品・サービスが多いのでしょうか。次の表は通信販売で定期購入した商品・サービスに関する相談実績です。

18歳・19歳にかかわらず、相談対象を「定期購入」かつ「通信販売」に絞ると、化粧品購入に関する相談が圧倒的な割合を占めています。

また、相談の総件数を購入形態で分類すると、30代以下の集計結果は次のとおりでした。

●20歳未満 店舗購入:15.7% インターネット通販:59.2%

●20代    店舗購入:31.6% インターネット通販:27.0%

●30代    店舗購入:28.2% インターネット通販:31.6%

注:他の分類は訪問販売・電話勧誘など

20歳未満が大きくネット購入に依存しているのがわかります。

今回の相談のケースも、スマホから化粧品を定期購入した、典型的な事例に当たるのでしょう。