「彼の頭に話がスッと入るのがわかる」……発達障害の人に「言いたいこと」が確実に伝わる「伝え方」3つのポイント

AI要約

話し合いにおいて冷静でいることの重要性

話し合い中の表情や口調の工夫

対話の中でのコミュニケーションの改善方法

「彼の頭に話がスッと入るのがわかる」……発達障害の人に「言いたいこと」が確実に伝わる「伝え方」3つのポイント

話し合いでは「冷静でいる」ことが大事とよく言われます。でも、具体的にはどうすればいいのでしょうか。発達障害の人にも、そうでない人にも、あるいは診断はないけど特性が強いグレーゾーンの「あの人」にも役立つ〈ちょっとしたテクニック〉の数々を、野波ツナさんの新刊のなかからお届けします。

前編記事『目指すは話し合いの習慣化……「話すの大キライ!」な発達障害の人を変えるコミュニケーション「2つの基本戦略」』はこちらから

『発達障害・グレーゾーンの あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』(野波ツナ/著、宮尾益知・滝口のぞみ/監修)は好評発売中!

「発達障害やグレーゾーンの人は、人の表情や感情を読むのが苦手」とよく言われますが、表情をまったく読みとれないわけではありません。

ただ、理解のしかたが独特で、真剣な表情を「笑っていないから怒っている」と解釈して〈拒絶モード〉に入ってしまう……つまり、耳に入ってくる話すべてをシャットアウトしてしまう……「あの人」もいます。

話し合いのときは、できるだけ柔和な表情をつくるのが大切です。少し微笑むか、それが無理なら、せめて眉根を寄せないようにして口角を上げるだけでも表情が「笑顔っぽく」なります。その程度で十分です。

口調については、声高に畳みかけるように話さないこと、そして、次々としゃべらないようにすることをおすすめします。平坦に、淡々とゆっくり伝えてください。一文が終わるところ(文章でいう「 。」がつく位置)までしゃべったら、意識的に一呼吸おくといいでしょう。

私は、話し合いで夫のアキラさんが黙り込むとつい強い口調で問い詰めていました。でも、それでは伝えたい話がまったく届かないことを痛感したので、今では注意するときは冷静に、ときには冗談めかして笑いながら伝えるようにしています。

ソフトな口調で伝えたほうが、言葉が「スッ」と彼のなかに入るのが見て取れます。