文字は読めるけれど書くのが苦手。それ、意外なつまずきポイントがある場合も。子どもが達成感を得やすく、楽しんで学べる方法とは【言語聴覚士・奈々先生の子どものことば相談室】

AI要約

言語聴覚士(通称ST)は、子どもを対象とする専門職の一つであり、文字の読み書きの獲得に関する2つの事例について解説しています。

文字を書くことが苦手な子どもたちの背景や理由について詳しく説明し、適切なサポート方法を提案しています。

子どもの好きな文字から始める、ステップアップした練習方法の提案など、具体的なアプローチが紹介されています。

文字は読めるけれど書くのが苦手。それ、意外なつまずきポイントがある場合も。子どもが達成感を得やすく、楽しんで学べる方法とは【言語聴覚士・奈々先生の子どものことば相談室】

言語聴覚士(通称ST)とは、話す・聴く・食べるなどのリハビリテーションを行う医療の専門職です。寺田奈々さんは、全体の約2~3割と言われる「子どもを対象」とする数少ない言語聴覚士として活躍されています。今回は、文字の読み書きの獲得にについて、2つの事例にお答えいただきました。

軽度知的障害の子、読む力はありますが、頭の中でイメージする字のバランスが悪いのか、字が上手く書けないのか、書くことが苦手です。なぞり書きでもはみ出してしまいます。集中力が無いからなのでしょうか?(小1・保護者)

ひらがな練習のなぞり書きは大好きで積極的ですが、フリーハンドで書くのは「難しい。できない」と言って、書くチャレンジもしようとしません。一歩先に進ませるには、どう言った声かけがいいでしょうか?発語ゆっくりさん、読みは8割程度です。(年中・保護者)

発達に凸凹のあるお子さんには、文字を書くのが苦手なさまざまな理由・背景があります。

たとえば、字の形のイメージがうまく頭の中に浮かばない、手と目の動きを合わせるのが難しい、頭の中でイメージした文字がうまく手の運動として伝わらない、集中力が続かないなどです。

なかには、書くときに利き手ではない手で紙を押さえるのが苦手な子もいます。そんなことで?と思うかもしれませんが、子どもにとっては思うように文字が書けないストレスにつながっているかもしれません。

子どものつまずきポイントを理解して、自分のペースでの学習を上手にサポートしてあげたいですね。

書くことの上達には、子どもの今のレベルから少しずつステップアップしていきましょう。

子どもの好きな文字から練習すればよいですが、もしこちらで選ぶとしたら、最初は「へ」「し」「つ」「く」「け」のように、画数が少なく複雑な線が含まれない文字がおすすめです。

書くことに苦手意識が強いならば、たとえば最後の1画だけ書き足せば完成する問題を出してみてはどうでしょうか?ほとんど完成している文字に最後の1画を足すだけなので、「できた!」という達成感を味わいやすいでしょう。