下着が見えるマリリン・モンローの巨大像、「性差別的」と長年の苦情を受け移設へ

AI要約

米カリフォルニア州パームスプリングス美術館の前に設置された巨大なマリリン・モンロー像が、移設されることとなった。

マリリン像は性差別的なモニュメントとして批判を受け、美術館前から別の場所に移動することが決定された。

マリリン像の移動によって、地元の人々や観光客に愛されてきたアイコン的存在が変わる可能性が生じている。

下着が見えるマリリン・モンローの巨大像、「性差別的」と長年の苦情を受け移設へ

米カリフォルニア州パームスプリングス美術館の前に設置された巨大なマリリン・モンロー像が、移設されることとなった。

高さ約8メートル、重さ約17トンの「フォーエバー・マリリン」像は、1955年の映画『七年目の浮気』の有名なシーンを再現している。白いドレスの裾が舞い上がり、マリリンは前を手で押さえている。彼女がセックスシンボル押し上げた最も有名な像だろう。

マリリン像は来館客や観光客に人気のフォトスポットだが、一部の地域住民や活動家、過去の館長たちは、美術館の前に「セックス・シンボル」がでかでかと設置されていることについて、苦情を申し立ててきた。

その巨大さゆえ、マリリンの足元や背後からは白い下着が丸見えだ。これが景観を壊し、かつ性搾取的な印象を与えると批判されている。

米ニューヨーク・タイムズ紙によると、元館長のエリザベス・アームストロング氏はマリリン像を「女性差別のモニュメント」と呼んだ。

「性暴力が増加し、世界中で女性が悪者扱いされ続けている今、この作品は性差別的で家父長的な態度の遺物であり、時代遅れです」

同じく元館長のルイス・グラショ氏は地元紙デザート・サンに、次のように語っている。

「美術館には、毎年10万人以上の生徒たちが来館します。女性をモノ扱いし、性刺激的で尊敬の欠いた像を展示することは、若者や来館者、地域社会にどのようなメッセージを与えることになるでしょう?」

英インデペンデント紙によると、マリリン像は2011年にスワード・ジョンソンが制作し、展示された。その後2014年にパームスプリングスを離れ、シカゴ、ニュージャージ、オーストラリア、コネチカットと、各地を転々としてきた。

2021年、マリリン像はパームスプリングに戻るが、反対運動が拡大し、訴訟にまで発展した。そして7月末のパームスプリング市議会で、マリリン像を美術館前から隣接するダウンタウン・パーク内の別の場所に移設することで「基本的に」合意に達したとジェフリー・バーンスタイン市長は述べた。

マリリン像は、待ち合わせ場所に使われるなど市のアイコン的な存在でもあった。関連グッズが販売されているほどだ。

市議会はFacebookでマリリン像の移設を発表。投稿には、移設を惜しむ声が多数寄せられた。

「(マリリン像は)今の場所で完璧です。背景に山や美術館が写る素晴らしいロケーションだから、観光客はあそこで写真を撮るのが大好きなんです。とても残念」

「フォーエバー・マリリン込みのあの景色が象徴的だったのに……」

「マリリンはとても美しいし、あの場所での展示がぴったり。いつもたくさんの人が写真を撮っています」