名指し人不在で「戻り次第こちらからかけ直します」と伝えたはいいが…対応には2つのパターン【ビジネスマナー常識チェック】
名指し人が不在時の取り次ぎのマナーについて、③名指し人が予定時刻に戻ってこないときの対応について詳しく説明しています。
パターン1とパターン2の場合分けをして具体的な対応方法を示しています。
相手に無駄な手間をかけないために、適切な連絡のタイミングや内容について解説しています。
【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#79
電話応対編(6)
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前回は、【名指し人が不在時の取り次ぎのマナー】について、①「外出先や出張先を聞かれた」、②「『折り返し』の使い方」までお伝えしました。今回はその続きです。
【名指し人が不在時の取り次ぎのマナー】
③名指し人が予定時刻に戻ってこない
帰社予定時刻を伝えたものの、その時刻になっても本人が戻ってこない、または、予定より遅くなりそうだと連絡があった場合、どのように対応すればよいでしょうか。
ここでは、2つのパターンについて考えてみましょう。
<パターン1>
本人が戻り次第こちらから電話をかけると申し出ていた場合、すなわち、相手がこちらからの電話を待っている状況です。この場合、伝えていた時刻が過ぎても連絡がないと、相手は不安になるでしょう。このようなときは、
「申し訳ございません。田中は〇時に戻る予定でしたが、遅れております。戻り次第、こちらからお電話を差し上げてもよろしいでしょうか」
と、現在の状況を伝える連絡を入れます。
また、戻るのが予定より遅くなると連絡があった場合も、
「申し訳ございません。田中は〇時に戻る予定でしたが遅れており、△時ごろになりそうだと、先ほど連絡がありました。戻り次第、こちらからお電話をさせていただいてもよろしいでしょうか」
と、予定時刻の変更がわかった時点で相手に連絡します。
変更後の戻り時間が終業時刻近くになりそうなときは、
「申し訳ございません。田中は〇時に戻る予定でしたが、遅れております。本日は何時ごろまでならお電話を差し上げてもよろしいでしょうか」
と状況を伝えた上で、相手の都合を伺います。
<パターン2>
相手から、名指し人が戻った頃に改めてかけ直すといわれたケースです。この場合、こちらが伝えた帰社予定時刻に、再度相手から電話がかかってきた際には、
「何度もお電話をいただき、誠に申し訳ございません。田中は〇時に戻る予定でしたが、遅れております。戻り次第お電話を差し上げるよう申し伝えますが、いかがいたしましょうか」
と、まずは何度も連絡をいただいていることに対するお詫びを丁寧に伝え、その後に状況を説明し、相手の都合を伺います。
相手が「かけ直す」といった場合でも、こちらが伝えた時刻になっても戻ってこない、または戻るのが遅くなるなどの連絡があったときは、パターン1のように、その旨を相手に連絡します。
大切なのは、相手に無駄な手間をかけさせないことです。
(金森たかこ/マナー講師)